遮断

遮断

極限状態で人々が信じたものとは?

逃亡兵となった19歳の真市は、置き去りにされた幼なじみのチヨの赤ん坊を助けるために、チヨと共に、命がけで故郷の村へ向けて北上します。また、その途中、片足片手となった川辺少尉と出会い、お互い蔑みながらも助け合い、戦場を抜けていきます。 家族に恥をかかせないために軍人として散ることが正しいと信じる者。 生きているはずのない赤ん坊の生存をひたすら信じようとする者。 憂いを感じていながらも、自分の誇りを最期まで保とうとする者。 死と隣り合わせの状況で、それぞれの人物は何を信じ、何を心の奥底に秘めていたのか?主人公が生涯「遮断」し続けたものとは? ところどころに挿入されているある人物からの手紙文によって、ある時は希望を与えられ、またある時は疑問を感じながら読み進めていきました。 人間のいろんな葛藤を描いた、深い小説だと思いました。