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マンガ家・森薫、エマ・乙嫁・シャーリー他

現在現役のマンガ家の中でも、最高のマンガ家の1人。 しかもマンガのスタイルは、手塚治虫以来の伝統的ストーリー・マンガを踏襲し、ストーリー・マンガの基礎である映画技法を忠実に、そして最大限活用する、現代の古典的マンガ家。しかしその徹底的に描き込まれた、緻密で微細な表現力と、大胆な構成力はほぼ一切、言葉に頼る事の無い絵とコマ割りの力だけで、スピード感のある場面も複雑な心情表現も、見事に描ききる今や現代の巨匠。 特に『エマ』全10巻は、19世紀末のビクトリア朝末期の英国を舞台に、忠実な社会的背景と日常的な生活背景の精密描写は、さながら当時の風俗文化の教科書的な密度。そして、そこで暮らす人々の意識的無意識的、階級・職業・人種差別感を描きながらも、幼くして両親を失い、名字も持たないまま「エマ」という名前だけの少女が、たまたま出会った元家庭教師の中年婦人から、中流階級の雑用メイドとしての基礎と、その為に必要な教養を教わり、一人前のメイドとなったところで、上流階級のお坊ちゃんと恋に落ちるという。 圧倒的に大胆な、ラブ・ロマンスを淡々と描く、商業誌初連載にして最高峰の傑作!

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