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日本人には教えなかった外国人トップの「すごい仕事術」 (講談社BIZ)

日本人には教えなかった外国人トップの「すごい仕事術」 (講談社BIZ)

著者のまとめ方には、納得いかないところもある。

タイトルで想起されるビジネスマン向きの実践的な内容ではないけれども、若い人へのメッセージとしてとして、仕事を含めた生き方論として読み甲斐がある。デュボワ氏のキャリアデザインの考え方も共感を覚えるし、企業トップが自分の言葉で語っているのもいいと思う。しかし、まとめ方自体にはいささか納得いかないところもある。 たとえば、著者は日本では「失敗したら恥ずかしい」というのを行動しない言い訳にして、逃げていると言う。「(デュボワ氏を含め外国人は)「恥ずかしいからしない」と言われたら侮辱されたと感じる」のだそうだ。なぜなら「そんなことを恥ずかしいと思うほど、あなたは心の狭い人間だと言っているようなもの」だからだという。「チャレンジした上での失敗は、本当に恥ずかしいのでしょうか」との問いには、ノーに決まっている。 だが、そうではなくて、日本では「恥」の概念が異なっているのだと思う。日本人が「恥ずかしい」と言う時は、英語で言うところのEmbarrassment(決まりが悪い)とAshamed(恥じる)の両方が入り混じっていることが少なくない。相手を失望させることを気に病むのは日本人らしい気遣いでもあり、同時に自分自身に対して「恥」であるという二重の意味で「恥ずかしい」のである。殊に失敗を「研鑽不足による己の恥」と捉えるのは日本の精神文化の根底にあるものではないだろうか。 また、「努力はするけれど、それから先はある種の運命に身を委ねる、神様の声に従う---そういう生き方もあるのだということを日本のみなさんにも知って欲しいと思います。宗教の少ない日本には、こうした考え方に馴染みがないかもしれません。」と言っておられるが、日本人の精神性について、こうした言い様はあまりに無知だと感じる。 友人だという少年音楽家の話では、優勝トロフィーを「気に入ったのなら持っていっていい。そんなものはいらない」と、そのガキ---ではなくて天才少年は著者に言ったそうである。それに衝撃を受けたというデュボワ氏は、「重要なのは本質なのだ」と語る。そして行きつけのレストランについて「料理がとんでもなくおいしいわけではないが、心がこもっているという仕事の「本質」があるから通う。人生で何より問われるのは、本質があるかどうかだ」と続ける。しかし、レストランの仕事の本質とは、まず「美味しい料理を供したい」ということではないのか。 付け足せば、インタビュー中、著者が自分を「芸術家」と呼んでいるのだが、何となく鼻白む。フランスでは普通なのかもしれないが、日本では「〜家」という呼称は、例外はあっても一般に本人が使用するものではない。言ったとしても「音楽家」というのが妥当だと思う。(最近は自分で「アーティスト」と名乗る人々もいるにはいるけれど) あげつらったようになってしまったが、こうした違和感や多少独善的に感ぜられる部分については、日本語表現が的確でないせいもあるだろう。もっとも、この本の最大のポイントは、文中でシャネル日本社長も言われているように「(日本人の好きな)外国人による日本批評」を外国人インタビュアーがまとめているという点にある。仏語か英語によって欧米の価値観を基軸に行われていることを考えれば違和感があるのは当り前で、その意味ではそれぞれの話の中に気持ちに響くものがあればそれで良いのかも知れない。

FC2ブログユーザーによるレビュー

2008年10月28日 00時58分 / 中野智志 setsunaexia.blog105.fc2.com
5点中の3
以前にも紹介したことのある音楽家の著者の外国人トップとの対談集。 著者のメソッドは「デュポワ思考法」で紹介したので割愛します。 外国人のトップと外国人の著者の対談ですから、非常に冷静に日本という国の仕事観について述べられます。 5人の大企業のTOPとの対談になっており、「キャリア=道」という概念が皆さん同じように持たれています。 対談相手は、 1、カルロス・ゴーン(日産自動車) 2、リシャール・コラス(シャネル日本法人) 3、マリア・メルセデス・M・コラーレス(スターバックスコーヒージャパン) 4、アントワーヌ・サントス(エコール・クリオロ) 5、ティエリー・ポルテ(新生銀行) ジャンルは違えども共通した挫折・仕事観・オフタイムの重要性など人間としての本質は皆さん同様のものを持っていて、日本の若者にも好意的です。何よりお一人お一人の生の経験が読めたことは非常に良かったです。 芸術を切り口に話を進めているのはさすが著者の手腕といったところ。 口語体で書かれており、インタビュー中の写真も盛り込まれているので臨場感を感じます。 私の場合、著者のメソッドに強く共感しているため内容的には別の視点から実例で検証できたことが良かったです。

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