時空を超えて (小学館文庫 ミ 2-1)

時空を超えて (小学館文庫 ミ 2-1)

愛と友情に感謝し心と魂を揺さぶる感動のミラクル・ファンタジーです。

心の琴線に触れるストーリーで読者の魂を揺さぶるフランスのベストセラー作家ミュッソが2006年に発表した感動のタイムトラベル・ラヴストーリーです。本書のジャンルは奇跡を呼ぶ魔法のような愛のファンタジーで、過去に遡って歴史を変えるタイム・パラドックスも当然の如く出て来る、いわば何でも有りの物語ですので覚悟を決めてお読み下さい。60歳の医師エリオットはボランティア活動に行ったカンボジアで自分の身の安全を捨てて子供を救い、不思議な老人からお礼にと時を遡れる10錠の薬を譲り受ける。30年前に死んでしまった最愛の女性イレナにもう一度逢いたい、思いを胸に薬を飲んで眠った彼は何と30年前の自分自身と対面し会話する。60歳の彼には別の女性との間に出来た愛する娘アンジーがおり、その為に30歳の自分と意見が合わずに対立する。 主要キャラクターは、真面目に医学に身を捧げて生きて来た老医師エリオット、彼を愛する優しく美しい海洋動物専門の獣医イレナ、2人の親友で情熱的に女性を追い続ける陽気な男マット、エリオットの娘で男手ひとつで育てられた20歳のアンジー、そして医師の飼犬ラブラドールのラスタクエール(相棒の意味)です。物語は前半はマットが陽気な気分を盛り上げ、コミカルな雰囲気で始まりますが、中盤から一転して切ない悲劇に変わって行き、寂しく幕を閉じると思わせて、最後の最後にどんでん返しで劇的な逆転サヨナラ満塁ホームランがかっ飛ばされます。歴史を変える事をタブー視し、自分の幸福を犠牲にしてでも他者を思いやる心優しい人間ドラマで、例え失敗しても挫けずに何度でも挑戦して命を救おうと頑張る真摯なラヴ・ストーリーです。愛を貫く事も大切ですが、持つべき物は友という言葉が身にしみて実感出来ました。奇跡は別にしても自分の為に一生懸命になってくれる友情に感動し、つまらない事で仲違いする愚かさを反省させてくれた一冊でした。