満潮の時刻 (新潮文庫)

満潮の時刻 (新潮文庫)

沈黙の声

静かに、しみじみと、「生きている」こと、「生きること」を見つめていく文章に引き込まれた。 解説を読むと、あの『沈黙』とほぼ同時期に書かれた作品だそうだ。 『沈黙』は、ただひたすら暗いトンネルの中を歩いていたようなイメージだったのだが、 この本を読んだ上で、改めて『沈黙』を読んでみたら、だいぶ印象が変わった。 実は、神も語りかけていたのではないか、という気がしてくるのだ。 主題は両書とも一緒だ。あわせて一冊の本にしてもおかしくない。 むしろ、あわせて読むことで、新しい発見があるのではないか、と思う。