ロック・フェスティバル (新潮新書 (222))

ロック・フェスティバル (新潮新書 (222))

でも、ウドーは最高だった

日本興行史に残る大惨事となった第1回フジ・ロックから10年。 洋楽フェス定着までの道のりが新書で読める日が来るとは夢にも思いませんでした。 ライブ評は表面的だし、事業モデルとしての側面を精緻に分析したものでもありませんが、 フェスティバル10年史を駆け足で振り返るには絶好のテキストだと思います。 巻末に収められた06年までの主要フェス出演者リストだけでも「買い」でしょう。 個人的には、06年のウドーミュージックフェスティバルの興行的失敗をもっと掘り下げてほしかった。 それによってオルタナと懐古趣味に偏ったフェスの同質化問題に鋭く切り込むこともできたのでは? 後半では海外フェスの現況にも触れていますが、 全米最大の催しとなったボナルーミュージックフェスティバルに言及していないのはいかがなものでしょうか。 ジャンルを問わず、知名度の低い実力派をどんどん参加させるボナルーの思想こそ、 日本のプロモーターや音楽メディア、リスナーに最も欠けていることだと思います。 本書を「序論」とし、西田氏にはより緻密な音楽フェスティバル論を期待します。