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潤一郎ラビリンス〈7〉怪奇幻想倶楽部 (中公文庫)

潤一郎ラビリンス〈7〉怪奇幻想倶楽部 (中公文庫)

美食倶楽部は英語で読んだ方がいいかも

まとめ方では、著者のかなりの数の作品がこの表題「怪奇幻想倶楽部」の下にまとめられてしまいますが、「病蓐の幻想」は歯痛を題材とした作品です。「白昼鬼語」はたしかにシャーロックホームズとワトソン張りの形式を取っていますが、その話の原動力は、決して論理には還元できない何者かです。最後には、おちが用意されていますが、高揚感や論理の明晰さはそこには伺えず、不思議な読後感です。次に続く二編は、文体も変わり、どちらかというと今昔物語ばりの童話のようです。最後をしめくくるのは、有名な「美食倶楽部」ですが、これも不思議な作品です。最後は、私たちがその形象や臭いでイメージする料理の枠を超えてしまいますが、むしろ作者が、自らのエロチシズムを求める不思議な感覚を、料理という具象を通じて伝えようとしているかのようです。232ページや286ページのシーンは、それぞれ料理の描写(前者は貝、後者は高麗女肉)という形を取っていますが、何か別なものが示唆されているようです。