FC2ブログ > おすすめ商品 > あなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

おすすめ商品

他にもこの商品が売れています。

FC2ブログユーザーによるレビュー

  • 5点中の5

    • 所謂「警察小説」ではなく… 主人公の女性達の職業がたまたま「警察官」だった、といったイメージの作品集。 親がいて恋人がいて夫がいて子供がいて隣人がいて… という日常生活と生死の最前線での思いとのアンビバレンスな… しかし、切り離そうとしても切り離す事が出来ないジレンマが丁寧に描かれていて秀逸であった。 特に、「キャサリン」「リズ」「モナ」の各章は、各人各様の人生のあり方を、彼女達の個人的な感情面と警察官としての仕事との両面が相俟って立体的に描いており、非常にリアルな説得力が感じられて、共感し、非常に面白く読んだ。 逆に、「キャシー」の章、即ち、アメリカ探偵作家クラブの最優秀短篇賞受賞作の「傷痕」は、警察小説の風味が強く出ており、この短篇集の中にあっては、少しハード(道具立て)に偏っているかな… と感じた。 そして、「サラ」の章の二つの短篇のうち「生きている死者」は、内容的(警官が重篤な背信行為に及ぶに至った過程が余りにも安直だし、その後の行為も疑問)にいただけなかった。 しかし、このお話しが無ければ、最後を締めくくる秀作「わたしがいた場所」への繋がりがなくなってしまう訳ではあるが…  でも、必ずしもあのような展開で無くても良いのだし…  しかし、とにかく、お薦め。
    • 2006年06月11日 16時23分 / yu'e

このアイテムを含む記事