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語り手の事情

語り手の事情

この小説を執筆している酒見賢一の姿を想像するのが一番おかしいか?

あくまで酒見賢一の他の小説と比較してだが、この「語り手の事情」は失敗作に入るかもしれない。おもしろいけど、語り手(=作者)が色々考え過ぎてしまった結果、なんだかまとまりがなく消化不良気味の作品だった。また、ちょっと頭でっかち過ぎるかなという印象も持った。 しかし、小説家としての酒見賢一の発想の豊かさを感じさせる一冊ではあると思うし、やさ男の彼がパソコン(原稿用紙?)に向かっている姿を想像すると微笑ましい。 文庫版あとがきには、「そもそも《語り手の事情》はこんな話になる予定ではなかった」とあるのだが、では、どんな話になる予定だったのかと語り手に聞いてみたくなる。