徴税権力―国税庁の研究

徴税権力―国税庁の研究

夏休みの研究発表みたいです

決して悪い本ではないが、テレビドラマの「ハゲタカ」がヒットした年にあえて出版するような内容が詰まっているとは思えません。もっともっと肉薄した内容を期待していたのですが、国家権力、特に大蔵や国税を批判すると最寄りの税務署からのチェックが厳しくなったという匿名の著名ライターの例などを列挙して逃げの姿勢が見え隠れしています。 マスコミに交際費チェックを入れて取材ソースを見つけ出そうとされた、という件は、一般の読者も覚えておいた方がいい。 これまでバラバラに発表されたものに大幅に加筆(書き下ろし)したとのことですが、単行本にするのであれば、もう少し工夫して欲しかった。著者がプライベートなこと抜きで、朝日新聞社でどういう担当や地位にいた、としか書かないあたり、極めて日本人的ですが、それ故に、国税庁が一般の読者とどう繋がっているのかが非常に分かりにくいし、何度も何度も『マルサの女』シリーズを引き合いに出すのはライターとして卑怯。自分やプライベートにおける友人の体験談などの希薄さが単行本なのに軽い読み物と化しているのが残念。 マイケル・ムーアの映画『シッコ』が公開されるが、ムーア監督くらいの行動力で立ち向かって欲しかった。