冬の教室 (徳間デュアル文庫)

冬の教室 (徳間デュアル文庫)

冬の作品。

この著者は、多重人格探偵サイコやサブカルチャー論で有名である為、実は小説はあまり読んだ事が無い人も多いと思う。そんな人に入門篇として、この本をお勧めしたい。 この著者の小説に特有である、幾つもの作品に同一の名前の人物が登場する(パラレルワールドに近い)形は今回も変わらないが、今回は伝説の殺人鬼大江公彦のみである。物語にそれほど関係がある訳でもないので、初めて読む人にも読み易い。 正直、展開やストーリーで魅せる話ではない。読んでいて退屈だと感じる人も居るかもしれない。だが、この本はその軽い退屈すらも利用して、描写と感情移入をスムーズに行っていく。冬の持つ寒さ、閉鎖感、沈黙などの言葉に出来ない要素を、著者は鮮やかに文章から引き出している。 最後の幕切れまで、この感覚は途切れない。青さ、中二病、言い方は色々あるだろうが、青春の一時期に特有の感情、切なさが、読むたびに鮮明に蘇るのである。まさに正しい意味で、これはライトノベルである。

≪ゃ荐篋

2008年06月16日 17時45分 / The World Is Made Out Of Entertainment mephistoawardfan.blog12.fc2.com
【ラノベ】冬の教室
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