迷走する物理学

迷走する物理学

自然が持つ深遠さ故の魅力

 ストリング理論の研究が実績を挙げていないにも拘らず、大学などで優遇され、ストリング理論以外の理論の成長を妨げているという主張を非常に厳しく論理的に述べています。特に、大学や研究機関に対して、基礎物理学の健全な進展を促すための提言を多く述べており、本書はこれら機関に向けて書いたのではないかと推測されます。しかし、ストリング理論が検証可能な科学理論として上手くいっていない事や、現在の基礎物理学が大変迷走している事について、詳しく解説されており、物理学科の3、4年生位の知識があれば、興味を持って読むことができると思います。本書から基礎物理研究の最前線について知り、人類が量子論と相対性理論の奥にある統一理論を手にするには、まだ時期尚早であると感じました。しかし、それは自然が深遠であるためであり、自然について以前より神秘的かつ魅力的に感じるようになりました。