挑戦的平和論―ゴーマニズム宣言EXTRA (下巻)

挑戦的平和論―ゴーマニズム宣言EXTRA (下巻)

勇気と情熱の書

小林氏の従来の主張を総括した体裁の情熱の書。まずは勇気を持って、タブー視されている天皇論から入る。 小林氏の立場は現行の天皇制を絶対神聖化し、従来の皇室のあり方を継承すべきと言うもの。私は皇室が民主化しても構わないし、天皇が女系であっても一向に構わないと考えているので違和感を覚えた。実は私の考え方の方が天皇制を幅広く受け止めているのである。次いで日本の多神教の問題。多神教ではキリスト教のような一神教の国(アメリカなど)の論理には勝てない。それに勝つにはビジョンが必要として、西郷隆盛の例を挙げている。しかし、これまた私の考えでは、山や森を神として崇める自然信仰の姿は日本の美徳であって、絶対神(イデオロギー)に捉われない日本の柔軟なモノの見方は、必ずや今後の世界に貢献できると考えている。後はその手段であろう。韓流ブーム批判はその通り。北朝鮮問題は、これだけで一冊の本にして欲しいくらいの重要な課題。小林氏の言う通り、日本として強硬姿勢を崩さない態度が肝要であろう。北方領土問題も同様に一冊の本にして欲しいくらいの重要な課題。最近の天然ガス等で資源大国に返り咲いたロシアが強硬路線に出て来るのは目に見えているので、それこそ日本側のビジョンが大切になって来るだろう。 小林氏の作品のレビューを書いていると、こちらも論争口調になって来る。それだけ、読む者に刺激と考える力を与えてくれる情熱の書。