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ホームレス作家 (幻冬舎アウトロー文庫)
- 幻冬舎
- 2002-12
- 477772位
- ¥ 630
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誰にでも起こりうるホームレスとは
本作品が読みたいと願っており、入手したとたん、むさぼる様に一気に最後まで通読しました。作者の心情が手に取るような臨場感あふれる記載に心が動かされます。 松井さんはフッとした切掛けで、ホームレスに転落してしまいました。その経緯も詳しく書かれていますし、同情すべき状態であったと思われます。作家という収入の安定しない職業とは言え、働き盛りの人間がこうも簡単に「ホームレス」になるわけですから、多くの読者の関心が本作品に集まったのも当然でしょう。 誰にでも起こりうることで、誰しも「ホームレス」にはならない、とは言えない状況は物凄く怖いことです。明日は我が身という思いが募りましたし、それを呼び起こすほどの日常の描写力と心理の深い部分を描いておりました。 丁寧で分かりやすい記述です。赤裸々な日常は普段目にしている景色の裏側を見ているようでした。知らない世界というより、知ろうとしない世界の日常はやはり凄まじいものでした。お金の有難味を痛感します。 新宿区役所生活福祉課とのやりとりは、読者に行政の「指導」のあり方を考えさせられるものでした。筆者の思い込みや一方的な記載でもありますので鵜呑みには出来ませんが、血の通った対応はこの問題の解決に不可欠なものでしょう。ラストに出てくる品川区役所も同様で、ある種の対応が確かに存在しています。 一方で、やっと見つけたアルバイト先も3日間で首になっています。「作家」というプライドがあったことにより、ホームレスから脱却できたのですが、そのプライドが作家以外の職業選択の際、足かせになっていたのかも知れません。いろいろと考えさせられる作品なのは間違いありません。
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