たまもの

たまもの

豚骨ラーメンを毎日食べること。

 住んでいる街の図書館で借りてきて読んだ。かような写真集を置く図書館というのも 見識というべきかもしれない。  写真家の女性と文筆を生業とする二人の男の 三角関係の物語である。アラーキーが出てきたりと舞台装置には「文化」の香りが匂い立っているが 要は ドロドロの男女の物語と言ってよい。「私小説」という 聞こえの良い言葉があるが それに近い写真集である。写真集を私小説にしたのは 先述の荒木が嚆矢だと思っているが 神蔵も正しく 荒木の弟子である。  僕にとって 全く関係の無い三人の男女の物語である。自分に関係が無い人の話は えてして面白いのが 人間の業の深さである。すっかり読み耽ってしまったものだ。  このように自分が生きることに貪欲な人たちが居る。そういうことなのだと思う。僕にしても どう逆立ちしても かような濃厚な人生は ちょっと送れないのではないかと思う。それはそれで羨ましい反面、やはり 人間は自分の消化能力に見合ったもので満足するしかないのかとも思った。  僕には やはり 豚骨ラーメンを毎日食べる胃と胃液は無いのだ。  そう考えることは やはり一つの諦めなのだろうか。