悪魔を思い出す娘たち―よみがえる性的虐待の「記憶」

悪魔を思い出す娘たち―よみがえる性的虐待の「記憶」

これぞ神話。

面白い事件ではあります。ただ、証拠や第三者の証言によって事実関係が認められた性的虐待事件が莫大に発見されている中、この事件はあくまでも「面白い逆説、珍事」の領域をでないものだと思います。 「抑圧された記憶」とは、自分の身に起きたと信じたくない酷い事件に関する記憶を麻痺させ、認めない事です。この本に書かれた事件のように、不愉快極まりない酷い事件が自分の身におきたと「虐待記憶のでっちあげ」をする状態の方がかなり難しい。このケースはここ数十年の米国で、性的虐待の弊害や後遺症として残る精神障害の重さがあまりにも研究が進みすぎたため、原因は性的虐待であると決め付け催眠療法で洗脳をする事件が起きたに過ぎません。 そもそもが密室で繰り返し行われる犯罪であるために立件ができず、被害児が重い障害を抱えて一生を過ごす事件、不愉快極まりない犯罪であるために殆どの人はありえないと思ったり、妄想だと否定しがちです。そのおぞましい犯罪を無かったと信じたいという心理や、小児性愛者の免罪のためにひどく誇張されたネタだと思います。 この本のタイトルには、「催眠療法による洗脳」というタイトルをつけるのがふさわしかったようです。 催眠療法による洗脳はあらゆることが可能です。この場合、元々主観で被害児の証言が否定されがちな性的虐待がテーマです。否定されがちな性的虐待を、(催眠療法で)でっちあげる事件があったために、大喜びで利用されたのです。この本を事前知識なく読むのはかなり危険だと思います。しっかり精神領域の基礎、莫大な事例を知識として蓄えた後に面白半分に読むのは結構だと思います。