No.273 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ハ短調

No.273 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ハ短調

是非スコアを片手に音楽を鑑賞してください

楽譜は他の物価と比べて高いですが、知的財産保護の観点から言えば仕方がありません。ただ、日本のミニチュア・スコアは、他のジャンルの楽譜、例えば合唱譜の情報量と比べると安いですね。また洋書のスコアと比較しても同様ですから、「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」に関心を持ってこれの購入を考えられている方にはオススメします。 音楽は全て楽譜から紡ぎ出されるのです。どんな名演奏も基本的に同じ楽譜を使いながら、ピアニストと指揮者の構想力の競い合い、という性格を帯びていると理解していますので。 日本楽譜出版社のスコアは、A5版で114ページあります。最初の7ページには、濱田滋郎氏による丁寧な解説がありますからこれはとても参考になります。 ミニチュア・スコアを見ながら聴けばよく分かりますが、ピアノの譜面は本当に難しいですね。ピアノ協奏曲ですから当たり前なのですが、ピアニストの技量と音楽観が如実に問われる曲です。 第1楽章はテンポもゆったりでロシアの風土を彷彿とさせるような哀愁を帯びた音楽世界を表現しようとしています。 第2楽章はロマンティックで甘美な音楽が展開されています。ラヴ・ロマンスを語るかのような優美さが必要ですが、それだけでは表現が足りません。哀愁を帯びた切ない音楽を嫌味にならないように甘く美しく弾くことが肝要です。抒情的なのは言うまでもありませんが、オーケストラとピアノで紡ぎ出す雄大さもまた愛される所以でしょう。 第3楽章も抒情的で美しいピアノの旋律が展開します。オーケストラとピアノの両方が同じ音楽観を持たないとピアノ協奏曲は上手くいきません。そこに難しさがあるのですが、クライマックスへの駆け上り方の躍動感の素晴らしさがラフマニノフの真骨頂と言えるでしょう。