私は「毛主席の小戦士」だった―ある中国人哲学者の告白

私は「毛主席の小戦士」だった―ある中国人哲学者の告白

喪失感は理解できるが…

彼の中国共産党に対する深い絶望感と帰属する国家への喪失感は理解できるが、同世代の日本人から見ていてある意味痛々しい。確かに、中国国内で民主活動を経験した彼が、衛星中継された天安門事件で虐殺される同胞を見て、完全に中国共産党に絶望する件には同情を禁じ得ない。文化大革命で尖り帽子を被らされ貶められた経験のある中国人に、天安門事件の直前に「中国政府も世界中に衛星中継されてるので弾圧はできないでしょう。中国もこれで民主化しますね」などと私が能天気な言葉を掛けた際に、無表情な暗い顔で「いや、中国政府はやりますよ」と呟いた顔と脳裏で鮮明に重なってしまう。しかし、だからといって中国人の彼が、日本人の民族主義や国家主義に安易に同衾して、日本を手放しで礼賛してしまうのは如何なものか? 厳しいことを言うと、日本の思想家や学者たちの著作または日本の知識人との実際の交流から、近代国民国家を模索した梁啓超や章炳麟などの思想家が、最終的には中国の伝統に回帰したのと比較すると、彼の近代人としての自我の弱さを痛切に感じる。しかしながら、彼は文化大革命の世代で中国の伝統文化と途絶している。精緻かつ実証主義的な清朝考証学の伝統を享受できた先人達と比較するのは、やや可哀想かもしれない。その点を割り引いて、彼の今後の著作に期待したい。

≪ゃ荐篋

2008年05月12日 17時39分 / ヘルシー&リッチ namche.blog119.fc2.com
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