To Sweden with Love

To Sweden with Love

あまりにも深くハートウォーミングなジム・ホールのプレイ

フリューゲル・ホルンの名手、アート・ファーマーによる1964年の作品です。メンバーはJim Hall(ギター)、Steve Swallow(ベース)、Pete LaRoca(ドラム)。 スウェーデンの民謡をジャズのフォーマットにあてはめたという異色の作品ですが、うっかり流して聴くと「ごく普通の作品」という感じです。でも、じっくり聴き込んでいくと何とも言えない深みと美しさをたたえていることに気がつくはずです。それを支えているのが、ギタリストのジム・ホール。テーマフレーズ以外はすべてがアドリブとはとても信じられないほど、1本のギターから生まれる豊かな表現力には相変わらず驚かされます。特に2曲目と3曲目のソロは逸品!派手なプレイをひけらかすプレイヤー、とかく大きな声の人間がもてはやされる風潮の中、ジム・ホールのあまりに深いフレーズは何回もの聴き込みを要します。こうした優れたサイドメンがいてこそ、アート・ファーマーのリリシズムが引き立つのです。 毎日、熱心に聴き込むというよりも、5年後、10年後、もう一度聴いてみたくなる名作です。