魅惑のとりこ

魅惑のとりこ

BGM的なジャズ

エディ・ヒギンスに限らず、ビーナスレベールの作品全般に言えることなんだけど、リスナーの対象をある程度の年齢層以上(40〜50才)に絞っていて、その人たちの嗜好にピンポイントに合わせた作品作りがされている。その周辺の年齢層の人たちにとってはとっても気持ちの良いものだろうが、その高度に練られたエンターテイメント性により、残念ながら、他の購買層の方にとってはつまらないものになってしまう。つまり、ある世代にしか受けない一過性のジャズということになる。ジャズの本質がそういうものであるかどうかは別問題として、まっとうなジャズファンの一人として将来に残るような現代のジャズが聴きたいと思う。 本作品も50年代ハードバップ名盤でたまにその名を見るエディヒギンスのピアノトリオジャズで、内容は良い。とっても良い雰囲気のリラックスできる上品なフォービートジャズトリオだ。だがここにジャズの持つスピリッツを感じさせてくれるような曲はない。どこか消費されることを目的にしたBGM的なジャズだ。楽しめれば良いのだろうが、この軽さは寂しい。あと5、6年経てば消えていっていまう良くも悪くもない聞き流すのに向いているタイプの音楽。何度も繰り返し聴くにには向いていないだろう。