スカーフェイス ― コレクターズ・エディション

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アメリカン・ドリームは、やっぱこうでなくちゃ

 デ・パルマ監督は特にファンというわけでもなく、他の作品を見たいとも思わないが、この映画だけは特別。むしろデ・パルマ作品というより、私は脚本を担当しているオリバー・ストーン作品として楽しんでいる。映画全編に及ぶ異常なまでのハイテンションと露悪さは、事実ストーン色以外の何者でもない。 ストーリーは極めてシンプルで、キューバ難民のアメリカ裏社会における成功→破滅を描いているだけなのだが、本来なら作品のマイナス要因ともなりうる荒削り感が、ここでは明らかに生きている。カネもコネも一切持たぬ難民の若者が、持ち前の度胸だけでのし上がるには、要するに人生をショートカットするしかない。だからこそ、他人より過激な手段を何のためらいもなく選び取り、矢継ぎ早に実行する……この過程を描くのに、荒削り感はとても有効に作用している。逆に時折披露されるデ・パルマの計算されたテクニックが目障りになるくらいである。 そして迎えるお決まりの破滅。その直接の切っ掛けが、また胸を打つではないか。心底までゴキブリ野郎になりきれなかったトニーが、ゴキブリ連中の手でゴキブリ以下に殺されていく……まさにギャング映画の王道とも言える幕引き。鑑賞後はぐったりと疲れているものの、同時に激しいスコールに遭った後のような清々しさも、たしかに残っている。 力強い、良い映画です。が、家族と一緒に見ちゃいけません。念の為。