ブラームス:交響曲第4番

ブラームス:交響曲第4番

ザンデルリンク盤こそブラ4のベスト録音!

 ザンデルリンクの解釈は一見オーソドックスであり、何一つ目新しいことや奇を衒ったことはしていない。 しかしその演奏は、圧倒的な気迫と凄まじいまでの説得力を持って迫ってくる。 これは彼が徹底したスコアの研究・解析を行った上で、演奏上いかにそのスコアを忠実に音にして行くかという姿勢による。(彼のスコアに対する執着は、マーラーの第10交響曲の録音からも別の面で伺い知ることができる。)  このような方向性は、1950年代に前任音楽監督の無能で傾きかけていたライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を見事に再建した名指揮者フランツ・コンヴィチュニーと非常にオーバーラップするのであるが、ザンデルリンク自身もベルリン交響楽団を世界レベルまで引き上げたという同様の経験を持つのは偶然であろうか。 何れにしても、スコアに忠実に演奏することがどれほど難しいことであり、またそれが成功したときの感動がどれほど大きいものであるかをザンデルリンクの演奏は教えてくれる。  1972年ドレスデン・ルカ教会の録音であり、マスターはアナログであるが、技術・状態ともに非常に良く、最近のともすれば楽器に直接マイクを埋め込みそのままミキサーにかけたようなデジタル録音に比べ、かえって暖かみのある優雅な音に仕上がっている。  またドレスデン・シュターツカペレといえば、70年代に世界最高のオケとして「西のウィーンフィル、東のドレスデン」と賞された名門であり、ザンデルリンクにとっては数年前まで音楽監督を務めていた旧知の手兵を率いての録音ということで、私自身はこのザンデルリンク盤こそブラ4のベスト録音であると思っている。