ワン・クワイエット・ナイト

ワン・クワイエット・ナイト

まさに静かに夜のひと時を過ごすのにふさわしい傑作

本作はパットが1人で作り上げた傑作。パットが1人で作った作品にはNew ChautaquaというECM時代のものもありますが、それはパットが色々な楽器を駆使し音を重ねて作った作品であるのに対し、本作は全曲バリトン・ギターという生ギター1本だけを使い、しかもホーム・スタジオで何の仕掛けもなしに作り上げたまさにホーム・メードの作品。それでいてギターの音の質感を見事に伝える録音が素晴しい。内省的な曲が多く、夜のしじまにふさわしい曲・演奏ばかり。パットが使用するギターの音の豊かさ、そして言わずもがなのパットの演奏の見事さ。リスナーの内面奥深くまで伝わる響きによって心が洗われ、まさに静かに夜のひと時を過ごすのにうってつけの作品です。マイ・ソング、ラスト・トレイン・ホームというポピュラーな曲を採りあげ、本作全体の雰囲気に調和させているのも実に見事。 それにしてもパットの作り出す音の世界の幅の広さには感心させられます。「ミズーリの空高く」と並んで、近年のパットの静の傑作と断言してよいでしょう。