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甦る世界(K2HD/紙ジャケット仕様)

甦る世界(K2HD/紙ジャケット仕様)

ユーロロックとプログレッシヴロックが高次元で統合された完成度の高いアルバム

イタリアの超絶技巧プログレッシヴロックグループ、PFMのセカンドアルバムで、本国イタリア盤を合わせると通算4枚目のアルバム。本アルバムにはワールドワイド仕様の本作とは別に歌詞がイタリア語のイタリア盤が存在する。また、今回の紙ジャケ再現にあたり、打ち抜かれたジャケットの中央部から島のイラストと荒廃した世界の写真が覗き見れるようにデザインされ、オリジナルアナログ盤の紙の厚みや紙質まで再現された、こだわり抜いた仕様となっている。PFMを語る時、キングクリムゾンの影響を受けた、と紹介されることが多いが、クリムゾンのような沈鬱さは無く、幻想的かつ絵画的で奥行きと深みを持ちながら、イタリアンバロックを感じさせる明るく爽やかな音作りであり、音楽表現から受ける印象はエルドンやアネクドテンの方が遥かにクリムゾンに近い。そういう意味で、あまりクリムゾン的先入観にとらわれず聴かれるのがよいと思う。本作を一言で言えば、「ユーロロックとプログレッシヴロックが高次元で統合された完成度の高いアルバム」ということになる。前作「幻の映像」で感じられた散漫さは感じられず、出すべき音をしっかりと把握し、それをトータルな曲作りに生かした確固たる自信のようなものが感じられる。無駄な音は極力排除し出すべき音をしっかりと出す、そういった音作りが楽曲の良さも相まって聴くものにストレートに訴えかける。ベーシストがイアン・パトリック・ジヴァスに変わったことによりリズムセクションが強化されていることも見逃せない。個々の曲について少し述べると、3 は1stアルバム「幻想物語」の「九月の情景」を新たにレコーディングし直したものであるが、オリジナルのシンフォニックで凝ったアレンジは大幅に整理され、シンプルなアレンジとなっている。PFMはこの後ボーカリストを新メンバーに加え、弱みであった歌唱面が強化されるが、ユーロ的エッセンスは大幅に後退し、よりアメリカナイズされた方向にシフトチェンジしてしまう。そういう意味でもPFMの頂点を捉えたアルバムとしてユーロロックファン、プログレファンに幅広くお勧めしたい傑作アルバムである。