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ワイアード

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ギター・インストルメンタルの金字塔

このアルバムはギター・インストルメンタルの金字塔のひとつとして、今日でもその地位は色あせていない。 というくだりが、ロック好きのオッサンおよび、その周辺の一般的な認識だと思うが、どうしてそうなのかちょっと考察してみよう。 まず今回は、ジェフ・ベック(Jeff Beck)のキャリアにおけるアルバム制作時期に着目すると? ●前作、ギター殺人者の凱旋(Blow by Blow):1975年発表の路線を踏襲し、プロデューサーがあのジョージ・マーティンであったこと。 ●マハビシュヌのヤン・ハマーが参加していること。 ●一部ドラムにナラダ・マイケル・ウォルデンが参加している(一曲のレッド・ブーツは逸品)。 ●1976年という時代が、新しい音を要請していた? ●本人の才能のピークであった? というように整理してみた。 そもそもポップスやロックというと、プレスリーに代表される巧妙にコントロールされた商業音楽第一主義的なノリを思い浮かべてしまうが、こういうエグイ音楽業界を果敢に腕一本で生き抜いてきたジェフ・ベックだからこそ、セールスとクオリティーの両天秤を自身の才能で担保し超越していく様は、運も含めすばらしいの一言であり、後進のギタリストにとっては、成功パターンのひとつとして記憶の奥底に鎮座してるはずだ。 よって、皮肉にもギター・インストルメンタルの分野でのポピュラリティーは、このアルバムを標準定位として以後大量生産されることとなってしまう。平たく言えば、売れるから作れ!!ということだ。 メーカーはどこも同じだ。 粗悪乱造の企画モノが以後、大量にリリースされたことは、まことに商業主義としてはまっとうな発想であり、その是非は問はないが、ジェフ・ベックの場合、アーティストの才能と時代性が見事にギター・インストルメンタルという芸術作品へと昇華された喜ばしい事例のひとつだろう。 この辺は、ジョン・マクラフリンだと、ぐっとポピュラリティは低下してしまうのが悲しい現実でもある。 とにかく、一曲目のレッド・ブーツ(Led Boots)を聴いていただければ、エルヴィス・プレスリー以降、20年くらい経つと、肉声に勝るとも劣らない表現力をギターが獲得し、かつ異様な過激さを内包するまで進化したということだろう。

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