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Stadium Arcadium

Stadium Arcadium

大作。

彼らの初の2枚組アルバム。 前作「バイザウェイ」よりもロックの色が濃いものとなりつつ、洗練されたメロディーやコーラスワークは失われていない。また、聴き流したりBGM的役割で聴く人にはわからないだろうが、多様な楽曲があり、実験的な試みもある作品。確実にジョンの比重は高くなり、ほとんどの曲にジョンのギターソロがあるが、彼は今までアルバムにはみられる曲に従ったなかでの表現と今までなかった少しハメをはずし、ジミー・ペイジのような怒涛の表現を両立している。また曲を聴いていると、ジミ・ヘンドリックスと直接チャネリングしてるような音があることに気づかされる。モジュラーシンセサイザーや「ダニーカリフォルニア」の最後のソロの音を聴くだけでニヤリとしてしまう。ちなみにジョンはこのアルバムで「ダニーカリフォルニア」と「メイクユーフィールベター」以外のソロをすべて即興でやっている。またフリーやチャドのプレイが貧相になったわけでなく、コードを広くとらえた多様性やアドリブ性のあるジョンのプレイにツボを押していくフリーのベースライン。その2人とうまく絡んでいるチャドのドラムは圧巻。 アンソニーの歌に歌詞に想像力をかきたてられる。複雑に絡み合う曲もあれば「レディーメイド」のように各パートの全くユニゾンしたクラシックロックのような曲もある。「ターンイットアゲイン」のようなジャムそのもののような曲もある。音の間隔を伸ばして雰囲気を出すような曲もある。その全てがただ素晴らしい。ノリとか表面的なものではなくスピリチュアルな部分で高揚させられる曲ばかりだ。自分はこのアルバムを聴き込んでいるが、毎回新しい発見をしたり、今まで聴いたことのない音にハッとさせられることがある。「ハードトゥーコンサントレート」のマンドリンかメロトロンのような音は高速で弾いたギターの音を遅いスピードで録音し、その速度を元にもどしたものらしい。 またスピーカーの使い方も今の時代では斬新なところがありボーカルパートをハード・レフトやハード・ライトにするのは60〜70年代によくやっていたことで、最近の商業音楽ではなかなか見られない。というかやる勇気のある人があまりいない(笑) どうしたら聴きやすいかを考えているスタジオワークばかりだ。その点ビートルズはあの時代の機材で本当にいろいろやっていたのに…。音楽をひとつのアートフォームとして考えるアーティストに聴き手が求めるものをつくるなんてくだらないことだ。今作は聴く方がレベルアップできるような良い音楽だ。