教室―異形コレクション (光文社文庫)

教室―異形コレクション (光文社文庫)

開かずの教室の扉の向こう

怪談実話は、時に怪奇小説の恐怖を越える時がある。教室のように、その宝庫といえる場所では特にそうだろう。しかし、それはいわば新鮮な素材の生の味である。たとえば、竹本健治の『開かずのドア』のような言葉の名匠の、巧緻にして繊細な料理の一品に接すると、その複雑で贅沢な味わいは、実話の追随を許さない。専門の料亭でしか堪能できないプロの味である。さまざまな恐怖料理のつまったこの一冊から、新しい教室の怪談が生まれるだろう。語るのはあなたである。評価「4」は、包丁の切れ味に、やや鈍い作があるためである。