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詩人たちの独り言

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ひかり

僕の手は何かを掴むには少し小さすぎた。
なにも掴むことのできない両手。
その小ささが結局どれほど手を伸ばしても
届いてはくれなかった理由になるのなら
僕はこの手を恨んで泣くことが出来たのだろうか

いつも、どんなに遠く走って追いかけても
届くことが無かった闇の中で
ただ強くいつも感じていたのは
触れた先から怠惰に蝕まれるような感触
息荒く走る吐息に混じる嗚咽に
もはや自分の感情さえ分からない
なにもかもが綯い交ぜになった涙は
頬を伝い堕ちる度に温度を失くして
それを裏切るように肺はじりじりと熱さを増していく

きっとそれに届くことは無いのだと
自分の中で諦める声を振り切ろうと走っていた筈なのに
いつの間にか闇の中で手探りに迷走しては
立ち竦んで、いつしか泣くことさえ止めてしまった。

だけど、そんな僕だからこそ
走り疲れた足を引き摺りながら今度は歩き続ける。
ねぇ、まだきっと…とどくよね?

2008年03月28日 23:37  by 

コメント一覧 2件中、1~2件表示

  • あなたの手が小さくないと
    思いながら見つめているけど
    時はなぜか離れていってるみたい

    あなたの大きさ、知ってるよ
    きっといつか届くよ

    歩き続けるのが辛いなら
    少し休んでも大丈夫

    止まったらその手に
    ひかりがはいるのかもしれない

    スピードの速さに
    ひかりが追いつかないのかも知れない、から…

    2008年04月24日 21:43 by 光藤 雫

  • 届きますようにと祈りながら
    たゆたうように歌いながら

    そっと
    言の葉を紡ぐの


    届け

    かたち 変えずに

    2008年04月23日 23:18 by