散りゆく季節
花は散りました。
季節は巡っていかなければならないからです。
そして、私は私という一本の大樹になってゆく。
花のように冬を耐え、春を知るからです。
忘れる術を知り、空の高さを知り。
何気なさを覚えてしまうこととなる。
しかし、密やかなこの青い葉をあなたに見て欲しいのです。
風に逆らわず、凛としたこの慎みを見て欲しいのです。
宴に祝う、若い春はまだ終わったばかりなのに。
人は春など忘れて、白い雲を見上げるようになる。
しかし、私は私だけになる。私という私になる。
振り返るだけの青春の日々と、何気ないくらいの素朴さに想い混じる、一本の木になる。
「天を仰ぎ、ぢべたに生きているものは悲しい」
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