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詩人たちの独り言

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葛と藤の縄を編む

 詩:【葛と藤の縄を編む】
 
 
 人を探しています。

 その人は僕と同じ名前で同じ服を着て、
 
 同じものを食べて生きている。

 同じ顔で同じ声をしていて、

 同じ瞳でじぃとこちらを見ている。

 生まれたときに一度会ったきりで、それ以来出会えてない。

 僕は人を探しています、その人は僕のすべてを知っている。
 
 
 鏡を見なさいって?

 そこにあるのがすべてだって?


 違います。だってそこにあるのは、僕自身だから。

 探しているのは、もう一人の僕。

 人を探しています。その人は僕の心を見透かしている。


 「その人を見つける術はある。

 月明かりに照らされた、葛と藤の浮かぶ水面をごらん。

 だけど、見つけても声をかけてはいけないよ。

 その人は君にしか見えない。君しか知らない。

 君は一人しかいない。二人は要らない。

 声をかけるということは、存在を認めてしまうこと。

 声をかけてはいけないよ。

 入れ替わってしまうからね」


 遠い昔に誰かが言ったけど、僕にはまだ意味がわからない。

 水面を見てみたけど、まだわからない。

 そこにいたのは果たして僕なのか、もう一人の僕なのか、わからない。

 わからないんだ。

 
 人を探しています。その人は、僕と同じ顔をしている。




初めて書かせていただきました、かめです。
自分のところで書いたものですが、いろんな人に見てもらいたいという思いがあったので書き込ませていただきました。
批判など、どのようなことでもいいので感想をいただけたら感謝感激です。

2008年08月23日 11:42  by 風月堂

コメント一覧 6件中、1~6件表示

  • もう一人の自分がいるのなら
    きっと背中あわせに立っているのでしょう

    同じものを見ていても
    私が光と言えば影と言う


    それでも、やっぱり真髄は同じで
    言いたいことは、同じことなんだ


    見える角度が少し違う
    そんな、もう一人の自分

    迷ってしまわないように
    向き合っていきたいと思うのです


    *返答が遅れてすみません。
    短い言葉で気持ちを伝える葵さんの詩は、心にストレートに響くので尊敬しています。
    素敵な返詩ありがとうございました。

    2008年09月19日 21:53 by 風月堂

  • もう一人の自分
    きっといると思うのです

    同じものを見て
    少しだけ 違う感覚を覚えたりもして

    それでもやっぱり 真髄は同じで

    そんな
    もう一人の自分

    向き合って行けたらと思うのです

    2008年09月13日 23:58 by

  • 半森 光さん、こちらこそコメント感謝です。
    自分でもよくわからない詩ですが、この詩は私が鏡に対して感じてきた恐怖と、好奇心からできた詩なのは確かです。
    自分なんだけど、自分ではない。とても身近だけど、目を合わせてはいけない不可解なもののように感じるのです。そんな一人遊 びのような詩です。
    コメントをいただけてとても嬉しいです。ありがとうございました。

    2008年09月12日 09:19 by 風月堂

  • 何か触れてはいけないような、知りたくても知ってはいけないような

    恐ろしくもあり、それでいて美しくもあり・・・

    素敵な詩に出会えたと思います。

    作者のかめさんに感謝です。

    2008年09月11日 21:38 by あでる

  • 自分でも何を趣旨にこの詩を書いたのか、実際わからなかったりします。

    なぜだか光藤 雫さんの詩を読んで高校生活に馴染めなかったころを思い出しました。返詩のおかげで、自分の詩の意味に近づけ たような気がします。
    ********

    君がそこにいるのは知ってたよ
    僕を探しているのも知っていた

    君が一つ僕に近づくたびに
    僕は君から一つ遠ざかる

    意地悪じゃないよ
    怖いんだ

    君が僕を理解したとき
    僕は君がわからなくなる

    すれ違ってばかりのあのときが
    まだ怖いんだ

    だけど君が僕から離れたら
    やっぱり僕は君を追う

    僕にだってわからないことはある
    いつか声をかけるその時まで、待っていてください

    ごめんなさい、好きなんです
    ***********

    返詩に返詩をしてみたら、思わぬものができました。やっぱり、自分にはよくわからない詩です;

    最後に。
    光藤 雫さん、素敵な返詩をありがとうございました(^ー^*)

    2008年08月29日 21:55 by 風月堂

  • 僕をたくさん知っているのに
    こんなに僕が彷徨っているのも知っているはずなのに
    君は声をかけて来ないじゃないか

    掛けてきてくれよ、僕には分からないことだらけなんだ
    君は僕を知っているんだろう?

    僕だって君を知りたいよ
    また会おうよ
    あのときのようには行かないかもしれないけれど





    ******
    かめさんこんにちは。かめさんの詩を読んでこのように綴らせて頂きました。少し共感もしました。
    かめさんの趣旨とこの詩があうのかあまりよく分からないんですけど…。
    あまり参考にはならないと思いますが…この辺で。。

    2008年08月29日 17:49 by 光藤 雫