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詩人たちの独り言

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萬心

朽ち果てた空家・・・遊び相手のいない空缶一つ

 穴だらけの天井
  だけど、晴れた日は太陽が見えるよ

 崩れて落ちた壁
  だけど、雨の日は雨垂れで遊べるよ

 破れ果てた押入
  いいさ、暖かさ分合う兄弟が居るもの


母を失った子猫達・・・朽ちた家の新しい住者


 誰かが捨てた空缶
  子猫には最高の遊び相手

 左右に転がる空缶
  母の代わりに狩りを教える

 疲れ知らずの空缶
  早く狩りを覚えて巣立って


遊び疲れて寝る子達・・・優しく見守る空缶


 何もしてあげれない
  この子達の無事を祈る事しか・・・

 抱いてあげる事さえ
  この子達の無邪気を守りたい・・・

 ただ見てるだけの己
  あの子達にこの心を伝えたい・・・


空缶の唯一の願い・・・この子達の生に幸多き事


 次々と飛出す子達
  尻尾を立てて荒れ庭に消え行く

 温もりを求め探しに
  子達の後姿は希望に溢れてる

 とても楽しかったよ
  君達の遊びに付合えた時間が


残された空缶・・・また、風に転がる


 無機質と思える物にも想い在り

 誰の耳にも聞こえはせぬ声がの

 使捨てられる物にも心はある・・・


 丁寧に生きよ・・・二足の者よ

2008年10月19日 02:44  by 

コメント一覧 1件中、1~1件表示

  • 健気に
    したたかに

    生きてゆく 小さな命

    手を差し伸べることさえ
    踏みとどまるのは 何故

    2008年10月19日 20:10 by