永恩
まだ、白いままの命・・・なぜ、紅き雫で汚した?
眼も開かぬ子・・・
凍付く夜風が柔らかい幼毛を舐上げる
乳房を探す子・・・
必死で母を探す子の姿を愚者は嘲哂う
目を逸らすな・・・
うぬは生まれたての命を奪取ったのだ
殺したのは寒さではない・・・うぬが殺したのだ
何故、待てなかった
乳離れする間に次の幸せを探せた筈
何故、今直ぐなのだ
子を愛しむ喜びを奪う権利が誰にある
何故、一緒に喜ばぬ
子を殺された恨みは果てし無く底深い
憶えておけ二足の者よ・・・我等は必ず代償を払って貰う
した事の報い
大事な子を奪ったのだから
うぬの大事なモノを奪取る
必ず引き込む
子を殺された母親の悲しみ
同じ悲しみの淵へ連れ込む
容赦はしない
命を無下に潰す者を許さぬ
それが誰であろう変わらぬ
我等は飽きっぽく忘れやすい・・・だが、忘れぬ事もある
子を殺し奪われた事
我が命を賭しても怨みは晴らす
我が命を弄ばれた事
この身が朽ちても魂は怨滅さず
無限の愛を貰った事
我等も全身全霊で愛には応える
さぁ、二足の者よ・・・どれを選ぶ?
たかが獣と思う莫れ・・・同じ命ぞ
されたら返す・・・ただそれだけの事
我等に施す時は覚悟をするがいい
たっぷりと同じ事を返してやるぞえ
そう、互いの身が朽ちても尚返す
この事・・・努々忘れるでないぞ
丁寧に生きよ・・・二足の者よ
違うのだろうか
それとも何も
変わらないのだろうか
二本足で歩くこと 覚えてから
人は 何を思い
何を憂い
人は
それでもまた 歩み続ける
2008年10月28日 00:29 by 莢
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