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詩人たちの独り言

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「夏のしずく」

私が 深く深く 愛したもの

それは 砂の城


私の愛は あなたへ近づく鼓動

静かに

波紋を繰り返し 瞳を湿らす


鼓動が脈打っては

あなたの 静かな想いを 形付けていく


淡い色彩から 目に見えるような黒へと


陽が落ち 固く固く 形をなした時

あなたの城は


割れた


形は壊れ あなたの想いは崩れていく

「時よ止まれ」

私は追いかけた


けれど どうして

涙ばかりが溢れ あなたを 流していくばかり


想い出のかけら

どうか行かないで…


私の信じたあなた 私が愛したあなた

私の深さ故に 飲み込まれていく


あなたを創り

壊すことしか出来ない

「私だけの物語」


闇に溶けても いまだ外は 水面を揺らす

綺麗な華が空を舞い

人々の戯れが聞こえていた


人々は私の痛みに目もくれず

寄り添い ささやき合い

傷ついた私に 想い出を託していった


喧騒は落ち着き 月も眠る


けれど

辺りは一面には 私の心の中のざわめきだけが

静かにこだましていた



夏とともに 幕を閉じた

「私だけの物語」



「あなた」

2009年02月15日 23:50  by 伍長

コメント一覧 1件中、1~1件表示

  • 過ぎ去ればそれまで

    ひとときの。

    それでもそっと この胸に

    それだけで

    2009年02月18日 23:16 by