夜行列車
列車は遥か北へ向け、
闇闇とした空気を裂き続けた。
星が一瞬の、恒久的な輝きを放つ。
この光は、私の旅が終わってもまだ、宇宙をゆくのだろう。
何の意味があるだろう。 私とは誰のことだったか。
孤独の中で、虚無が心を包んだ。
草原の丘から、朝の日が顔を出した。
すべてが黄金色に光る。
友人が寝台から、もそもそとでてきた。
「起きていたのか。 起こしてくれれば、話し相手くらいしたのに。」
起こせばよかった。
孤独も、虚無も、忘れていた。
2009年07月17日 11:03 by R.ogawa
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