居るのだと思っていた
居て当然と思った。
足も
手も
目も
耳も
様々な物は二つで一つだから
僕も誰かが居れば空洞は埋まるんだ。
探そう
探さなくちゃ。
誰もが持つ片割れ。
其れは約束。
太古から交わされし約束。
僕も人だから、
生き物だから、
居るのだと思っていた。
居て当然と思っていた。
結局、君の手を掴むはずの手は空を掴み、
君が座る筈の椅子は生憎空席。
差し詰め
僕は
寂しがりやの烏。
烏は比翼の鳥を夢見ただけ。
烏は烏でしかない。
空想は現実には成れないから。
さぁ、誰も居ない巣へ帰ろう。
ないて
ないて
ないて
己の愚かさを歌って。
石を投げられようと歌はとまらない。
ないて
ないて
ないて
されども
一人になれば
君の朧気な姿を捜す。
居て当然だと思った。
居てとうぜんの筈だった。
太古からの約束。
生受けしものはつがいで生きる約束。
僕は未だ片割れを見つけらるない。
君は
どこにいるの?
でも
ごめんよ
辛いんだ。
僕は
片っぽだけで生きるね。
ー其れでも
気が付けば手が
何かを探す
無い者を
捜す
自分が居るんだ。
未だに。
見も知らぬ僕の片割れを捜す。居ないのに
捜す。
不毛な日々。
了
たとえば 灰皿
カップ ハンカチ 帽子
すべてのものにあなたを見出す
さがして 面影
夕暮れ ともにみた 彼の日
連想ゲームの如とめどなく
あふれた 日常
おもう 想い ひとり
ありふれた溶け込んだ あなた
――Another one
2009年09月26日 19:57 by コウ
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