Defrag
最下層の自分に会ってきた 緑のカーテンなびく部屋
彼女は振り返ることもせず 帰って、ただひとことだけ告げた
血のにじまない努力をしてきた 涙の結晶は授業で目にした
空の向こう宇宙(そら)の果てよりも 中心へ潜るのが好きだった
次訪れるその時は プレゼントを渡すとそう決めた
服も小物も花も絵も見たが 彼女の好みはなんだろう
辞書を引いても載ってない 教科書見ても意味がない
分からずじまいで店を出る すっかり日の暮れた帰り道
ひねくれ少女は思いはせ こわがり少女はつまづいた
のんびり少女はお茶を注(つ)ぎ ものを覚えては忘れていった
最上層の彼女には いつでも周りに人がいた
好きなものを好きと言い そのせいでよく傷ついた
最上層の彼女なら ひとりでわらえて ひとりで泣けた
きれいな言葉の列を添え コルクのボードに留められた
映すせかいがすべてなら こんなにおそれはしないのに
目をつむればこまが落ちるように 明日を迎えられるのに
最下層の自分に会いに来た なつかしい風が香るころ
いつかすべてを許せたら 次こそひとつ 手渡そう
最上層の彼女から 最下層にいる彼女から
贈るふたつのプレゼント たしかにわたしは受け取った
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