☆。真夏日の君
ぎんぎんぎらぎら
ぎんぎんぎらぎら
真夏日の太陽が燃えている
世界の終わりのように
激しく激しく燃えている
魚も鳥も猫も犬も人間も
その熱(いきれ)に負けて
ぐったりとしているよ
鉄板のようなコンクリート
その上をさ迷い歩いていた
みんみん蝉の声を聞いていた
蝉だけが叫んでいるよ
その熱(いきれ)に負けず
ひたすらひたすら叫んでいるよ
"生きたい!
生きたい!
生きたい!"
僕は黙って聞いていた
耳を澄まして聞いていた
"生きたい!
生きたい!
生きたい!"
蝉は知っているのだろうか
自分の生命(いのち)が儚いことを
明日消える存在かもしれないことを
こんなにも小さく弱いのに
生きる情熱に満ちているのだ!
情熱のために生き、死ぬのだ!
――ぽとり、
僕の目の前で蝉が死んだ
ああ、あっけなく、死んじまった!
空を仰いでいるその亡骸は
無様だったが、尊かった
“まるで、君みたいだ――"
蜃気楼に包まれ
汗と渇きで朦朧とする
けれども僕は君を想っていた
あの真夏日の太陽のように
激しく激しく生きて去った君を
自らの情熱に生き
自ら情熱に燃え尽きた君を!
2010年07月01日 23:10 by mino
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