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詩人たちの独り言

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Why Killed him?

どうして彼をころしたの? と傍らに留まる友達はいった
赦せなかったの? 赦せなかったの。
仕方なかったの? 仕方なかったの。
一番近くにあった言葉を引き寄せて 紡ぐ答えに真意は宿るか
ねえどうして彼をころしたの? 小さき嘴は絶えず訊ねる

本当はね ころしたのではないの
ただみんなの目の届かないところ 遠いところへ
隠してしまっただけ ころしたのではないの
「どうちがうの?」
ころしたのではないの
首をかしげるあなたの首に触れる

やさしいひとだったわ そう まるであなたみたいな――
黄色と白のブーケが好きで――ええ わたしも好きだった
あたたかな眼差しはいつでも春の日が舞い降りて
同じリズムで呼吸をしていると なんだかそれだけで嬉しくなるの
時間なんてものも忘れて そう あなたたちみたいに
わたしがわたしでなかった瞬間にまで戻れるような そんなひとだったわ

じゃあなおさら不思議だわ だって彼はあなたにとって大切
大切は失いたくないもの たとえその手を離れようとも
形を変えずして在ってほしいもの けれど変容の窓を閉ざさざるもの
ねえどうして彼をころしたの? ころさねばならなかったの?
どうして赦せなかったの? どうして仕方なかったの?
ねえ ねえ ね――――――――

……ねえ

もういちどみつかるかしら たとえば
わたしがかくしつづけたなら あるいは
わたしをかくしつづけたなら 彼に
会えるのかしら 遠いところで
会えるのかしら この羽でも届かざる場所にて

どうして彼をころしたの? と傍らに留まる友達はいった

2011年01月22日 20:04  by 

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