夢と現(うつつ)をつなぐ色 絵巻「春日権現験記絵」
夢と現(うつつ)をつなぐ色 絵巻「春日権現験記絵」 の感想などがありましたらご自由にどうぞ
2009年11月08日 08:07 by watasitotaiwa
こんばんは。
今日の日曜美術館は、ほのぼのして優しい気持ちになれました。
絵所預(えどころあずかり)という絵師として最高の地位にあった高階隆兼の24巻にわたる大作、『春日権現験記絵』。身分の上 下なく生き生きと描かれた人々の姿に、心和みました。
華やかで色鮮やかな色彩。高級な絵具を使い、僅かな色数を工夫して増やし、人々の服の模様まで表現した技術の高さには舌を巻き ます。
披見台というものも初めて見ました。当時は貴重な巻物を、こうして台紙の上に置いて見ていたのですね。
それにしても、テレビでも言われていましたが、当時は神と人がとても近い位置にいたことを感じます。敬愛、敬意、そして、親し み。今とは違い、夢のとても大事な時代にありながら、当時の人々は、本当は幸せだったのかもしれませんね。
2009年11月08日 21:49 by Chiduru.Y.
鎌倉時代の絵巻なのに、色彩が鮮やかで、今作られたような感じを受けました。
夢の世界を描いているはずなのに、表現されている人物や動物は非常に写実的です。
写真のような写実性ではなく、人のぬくもりが感じられるのがいいです。
夜の風景は、暗いままに描いていないところが新鮮な感じを受けました。
夢を見ているはずの深夜の情景を表現するのに闇は出てきません。
昼間に見ている残照を描きながら、明かりがついている様子やねずみを描くことで描写して、夜の情景を描いています。
こういうところは、人の心に映る情景をそのまま写しているようで何か新鮮な感じを受けました。
夜になっても昼間に見たイメージで物事を認識しているのが人の普通の感覚なのかも知れません。
色の鮮やかなところと、配色に工夫しているところも何か現代的な感じを受けました。
さすがに神様が見るために作られた絵巻は、人の技術の最高の技術が凝らされているのですね。
神様のために作られるということ自体が無くなっているので、こういう作品は生まれてこないのかも知れない。
そう思うと、少し寂しい気持ちがしました。
2009年11月08日 10:14 by watasitotaiwa
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