運慶の金剛力士立像とミケランジェロのダビデを比較しようとする試みが少し意外でした。
日本では力士というとお相撲さんの体型をイメージすると思います。
筋肉隆々の姿と鍛えられた筋肉を鎧のように守る脂肪が両立している姿が日本人の理想の体型だったように思います。
その姿をダイナミックに組み上げているところがとてもいいと思います。
東洋人の体型もそれなりにいいと思うのですが、欧米一辺倒の美の価値に追随してしまうのは少し残念ですね。
微妙な表情の変化は目の周りの作り方で大きく変化することがよく見てとれたように思います。
菩薩や天はもともと人間に近い位置にいるので、人と似ていることが求められていたのかも知れません。
鎌倉時代はルネッサンスとゴシックが同時に起こった時代なのかも知れないと思うようになりました。
ただ西洋と違って科学的なものの見方を取りいれるまで至っていなくて、あくまで質実剛健な武士による新たな文化の息吹が感じら れるようです。
合理的に考えれば「こうあらねばならない」という主張を押し通すことが必要になってきますが、
日本では、「人との和を大切にしたい」というような柔らかさが文化の基底にあるように思います。
2010年02月07日 11:16 by watasitotaiwa
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