絵の外の世界と絵の世界を一つにする描き方をした「ラス・メニーナス」が紹介されていました。
鏡の中にぼやけた王様と王妃様を描いていたり、等身大の大きさと天井の広がりを描いたりすることで、
見ている側の視線と絵が一つになったような感覚になるようです。
本物を見てみたいと思いつつ、スペインにあるのではちょっと無理な感じがしますね。
でも、やっぱり、絵に描きこまれた人物の描写が的確でないと、絵の中に引き込まれるような力は出てこないと思います。
相手の視線より下の視線から、人物を描写する態度は、どこか、カウンセリングをする態度に似ていて、
苦しいことや悲しいことに共感できたベラスケスさんの気持ちが絵に表れているような気がします。
人には言えない秘密を持って生活することは、人の深みを増すことなので、
そういう人の深さが絵に表れているのかも知れません。
2010年04月04日 11:10 by watasitotaiwa
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