北斎の冨嶽三十六景はあまりにも有名で見慣れてしまっていました。
今改めて見直してみると
ものすごい構成力のある絵画だと感じました。
神奈川沖浪裏のに表された波は実際にこんな波は無いとは感じるのですが、
波のダイナミックな様子や、波頭の水が鉤爪のように滴る様子は波そのものをとてもリアルに表現しています。
富士山がはっきり見える晴れた日に、こんな大波が立つわけは無いと承知しながらも、
遠くに富士の見える荒波の中に、人の思い描く自然のダイナミックな感覚を凝縮しているように感じます。
こんな絵は世界に二つと無いですね。だから不二なのだと思います。
そういった才能が浮世絵という版画の中で庶民がじかに手に触れることができた
江戸の文化は、やはり世界に類を見ない特殊な文化であるような気がしました。
版画が刷られて売られる。
人気のある絵が沢山売れて、さらに工夫された絵が世の中に出回る。
そういうことを遠近法も投影法も知らない、大陸の端にある取るに足らない小さな島国の人間がやっていたのですから、
西洋から見たら、さぞかし驚くことのように改めて感じました。
「北斎漫画」を全部見てみたいなあ。
2010年04月25日 22:40 by watasitotaiwa
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