長歌と短歌の関係 歌論3
前の歌論で簡単に長歌の紹介をしました。
そのとき、長歌の反歌として、短歌が添えられたと云いました。
乱暴な言い方になりますが、長歌から短歌が生まれた といっても過言ではな いでしょう。
長歌は叙事、叙景を行い、[太字]短歌は叙情[/太字 ]を行うと考えてください。
物語や景色を語るときはどうしても説明的になります。でも、その説明だけでは物足りない、自分の中の心情、感動、感慨を述べた くなるものです。
この説明部分、叙事を担当したのが長歌で、心情を吐露した部分が反歌(短歌)であったと考えてみると長歌に反歌を付けた理由が わかると思います。
山部赤人は壮大な富士の山を大きな時間の流れさえ超越して神としてそびえる富士を詠いあげています。
反歌の部分では田子の浦を巡り富士山が眺望できるところにいたったときの感動を述べています。
僕は、言葉で伝えたい事柄を長歌という韻文(詩)で覚え、歌い、人々に伝えたのと同時に、自己の心の動きを短歌の形式に込め て詠ったのだと考えています。
2010年04月30日 13:29 by 春秋のブログ
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