私信としての歌 歌論 5
仮名文字が発明され、多くの人々が歌を書き、また、書かれた歌を読むということが出来るようにな り、歌のもう一つの役割、相手に自分の思いを伝えるという、私信(手紙)に歌を使うということが、平安中期から行われるようにな ります。
そのころの公家の男女の交わりは、今からは信じられないようなことが多いです。公達達は相手の顔を見たことが無くても、噂だ けでラブレター、歌を相手に渡し、返歌を待ちました。返歌で相手の気持ちを確かめて夜忍び込み3日通えば結婚が成立します。一般 的に通い婚といわれるものです。離婚したければ、女のもとへ通わなければいいのです。それで、離婚成立です。
男はより、しっかりとした後ろ盾ほしくて、女の家でもより官位の高い男を招き入れることにより、家の繁栄を得ようとしました 。
歌の良し悪しによって、相手の教養や力を判断したわけです。
歌は神への祈り、国家、氏族、部族の伝承のため、また、多くの人々と会話を交わす、コミュニケーションの手段として、私信の 手段として、語られ、詠まれ、書かれ、読まれました。現代に於いても事情は変わらないと思います。ネットの中で思いを人々に伝え 、相手に自分の心情を伝える手段(ツール)として、歌を大いに利用していきましょう。
長々と僕の雑文にお付き合い有難うございました。
次に俳句の歴史について少し触れたいと思います。宜しく
2010年05月03日 12:59 by 春秋のブログ
書き込み情報はありません
Copyright(c)1999 FC2, Inc. All Rights Reserved.
@fc2infoさんをフォロー