ドジな千鶴ちゃん☆ 〈4〉
「失礼します。あの……落し物って……!?」
職員室の扉を開けたとたん、先生が転がってきた。
「くっそ~~、また負けた~~!!チクショー!!」
あ、この先生は頼りにならないな。
「あの……土方先生。落し物って届いてませんでしたか?」
1番マトモそうな、古文担当の土方先生に声をかけてみる。でも先生イライラしてるみたい……真面目に答えてくれるかな?
「新八はまた競馬見てんのか、職員室で。しかも総司は俺の教科だけ……」
諦めたほうが良さそうだ。沖田先輩本人が居ることが知れたら、ますます怒るだろうし。
「し、失礼しました……」
「ん?どうした雪村。」
気づいてくれた……良かった。さっそく相談してみよう。
「あの、委員会の前に階段で転んでしまって、その拍子に鞄の中身を落としてしまったみたいなんです。それで落し物に届けられて いないかなぁ、って」
土方先生は機嫌が良いのか悪いのかあまりよく分からない顔をして、話を聞いていた。
「そうか、俺も一緒に探してやろう。で、総司は家で勉強しろ。平助は邪魔だから帰れ」
「なっ、邪魔って酷いぜ先生!!」
確かに沖田先輩は、土方先生の教科だけ赤点だから仕方ないけど平助君のは単なる言いがかりだろう。
2011年04月02日 11:16 by 桜川キョオコ
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