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影野祐一は、悩んでいた。(リレー小説)

ちょっと長めのリレー小説を立ててみます。

とりあえず、ここでは、一つの記事につき、20文、句点「。」20コ以内を目安にお願いします。
連続投稿禁止。

分かりやすいように、最初に通し番号をふって下さい〜。

では、早速。


・・・・・・・・・・・・・・・

(1)

影野祐一(かげのゆういち)は、悩んでいた。
同じクラスの佐久間透(さくまとおる)のことである。
佐久間とは小学校以来の付き合いなのだが、祐一はいまだに佐久間の性格を把握しかねていた。
佐久間は、はっきり言って、変人だった。
良い奴ではあるのだが、変人だった。
くどいようだが、本当に変人だった。
そんな佐久間から、あろうことか恋の相談を受けたのだ。
奴の浮いた話など、これまでに一度も聞いたことがない。
佐久間も、ついに……。
祐一は感動にも似た感情を覚えながら、佐久間に尋ねた。
「それで、お前の好きな子っていうのは、一体誰なんだ?」
「……木川夏子(きがわなつこ)」
長い沈黙の後、ぶっきらぼうに佐久間の口から放たれたその名前は、間違いなく、祐一の想い人が持つものであった。


(とりあえず、こんな感じで。なんのひねりもなくてすいません……)

2007年09月24日 18:29  by もみじ

コメント一覧 4件中、1~4件表示

  • (5)

    少し上気した顔に微笑を浮かべ、踊るように佐久間は廊下を歩いていた。
    そして、息を潜める祐一の数十センチ先を通り過ぎた。
    おそらく、空想の世界に浸りきっていたのだろう。祐一の気配に気付く様子は全くなかった。
    階段を下りていく佐久間の気配が遠ざかってから、祐一はようやく忘れ物を取りに来たことを思い出した。
    そして、その記憶は封印され、「もしかしたら夢」と「きっと夢」の間のどこかに放り込まれたまま忘れ去られていた。
     佐久間の告白を聞くまでは。
    確かあの日、女子卓球部は対外試合に出かけ、帰りが遅くなっていたはずだった。
    おそらく、制服は部室に脱ぎっぱなしになっていたであろう。
    佐久間が木川の制服を見つけ、興奮のあまりそれを身に付けたとしても不思議は無い。
    祐一は、あの時すれ違ったのが、憧れの女子の制服を着て教室に戻り、空想の世界で授業を受けた後、制服を部室に戻しに行く途 中の佐久間であったと確信した。
    変態行為といっていい。
    だが、祐一はそのくらいのことで佐久間に嫌悪感を抱いたりはしなかっただろう。
    もしも、その相手が木川でなければ。

    2007年10月15日 02:56 by 石瀬醒

  • (4)

    佐久間だった。
    祐一は、反射的に物陰に隠れた。
    佐久間はどんどんこちらに近づいてくる。
    そこで初めて、祐一は佐久間のおかしな格好に気が付いた。
    佐久間は変人だったので、校内でもよく、何かのコスプレをしては風紀の中川先生に怒られていた。
    祐一もそのことはよく知っている。
    佐久間に何度も写真撮影を頼まれていたからだ。
    佐久間はどんなコスチュームでもそれなりに着こなしてしまうという、役に立たない特技を持っていた。
    しかし、あの格好は……。
    女子の制服だった。
    佐久間は、今、女子の制服を華麗に着こなしていたのだった。

    2007年10月11日 22:26 by もみじ

  • (3)

    「なんだよ、約束って」
    祐一が応えた。
    そんなつもりは無いのだが、佐久間に会うと、どうしてもぶっきら棒な対応になってしまう。
    「木川の事、調べてくれるって言ってたじゃないかよ」
    影野が祐一の腕を掴んで、耳元に口を寄せて言った。
    さすがに影野も痺れを切らしているらしい。
    もともと影野は女子のことを話題にも載せないタイプの男だった。
    その彼がこんなに必死になっているのだ、おそらく、幾夜も眠れない夜を過ごしているのだろう。
    それは祐一にも良くわかる。
    彼自身木川のことが好きで、それを言い出せずにいるからだ。
    そして、祐一は、影野よりもはるかに深く彼女のことを知ってもいた。
    もちろん、同じ卓球部に所属しているから、というのが大きかった。
    何度も彼女の球を受けたし、彼女の体に触れたこともある。
    部活の合間に、ふと二人きりになり、彼女の家族に対するグチを聞いたりもした。
    そんな事の一つ一つに祐一は密かにときめいていた。
    同じように彼女を慕う影野に、その思い出の欠片を話して聞かせるのが嫌だ、ということもあった。
    しかし、今祐一が影野を避けてしまう一番の原因は、そんな処にはなかった。
     それは、2ヶ月前の事だった。
    その日、祐一は部活の後、家路を半分ほども過ぎたところで、教室に忘れ物をしてきた事に気付いた。
    既に電気も消えて薄暗くなった廊下を教室へと急ぐ途中で、彼はこっちに向かって来る人影に気付いた。

    (大きく踏み込んで、後の人にパス!お願いします!(笑))

    2007年10月09日 17:02 by 石瀬醒

  • (2)

    佐久間と意中の人がかぶった。
    さっきの嬉しかった感情は、焦りに変わった。
    容姿端麗。
    目の前の変人には、その言葉がぴったりと当てはまる。
    妙な奇行さえなければ、佐久間はモテて仕方がなかったはずだ。
    「ひとつ訊いていいか?」
    「…なに?」
    「なんで俺に相談した?」
    「……なんとなく。」
    佐久間は、やはりぶっきらぼうに答えた。
    「そうか。」
    「…なあ。木川って、好きなヤツ…その…いると思う?」
    「さぁ…」
    長い沈黙が、再度二人を包んだ。
    「じゃあ、調べてみるからさ。そのうちまた、この話しようぜ。」
    「………うん…。」
    佐久間とは、それっきり一度も話していない。
    佐久間は話しかけてくれるのだが、祐一のほうが敬遠しているのだ。
    ある日、同じように佐久間が話しかけ、それを祐一が避けると、佐久間は大声で叫んだ。
    「影野! 何だよお前!! 約束が違うじゃないか!!!」

    2007年10月07日 22:00 by たろすけ(すけピン)