挿絵指定作文2
上の絵(クリックすると大きくなります)が挿絵となるような文を作りましょう。
ルールは
1.文は、完結していても1シーンだけでもよい。
2.読者が絵を見ることを前提にした作文は不可。
2の意味は
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男「この箸使いにくいなぁ」
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のように、絵を見ていない人間には何のことかわからない文は駄目、ということです。
ネタが極端なので、多少絵の通りでなくてもいい、と言うことにしたいと思います。
小説に書かれた通りじゃない挿絵描く人も多いじゃないですか、実際。
「非常識」な光景を自然な日本語で描写することこそ難しい、という命題に挑むためのトピックなのですが・・・非常識過ぎたか もしれません(笑)
あえて「解答例」は無しで、私も挑戦者としてコメントします。
2007年10月24日 09:46 by 石瀬醒
コピペに失敗したらしく、最初の数行がカットされてたことに軽くショック。
コピペに失敗って……。
たろすけ(すけピン)さん
なかなか、二つの文章、なかなか両極端ですね〜(笑)
レストラン……全裸が笑いを誘います。
この後、彼に一体どんな運命が……。
鯨井祥瑚 さん
お母さんは、きっと何かを予感してたのですね。
この後、運命の女性に出会っちゃったりするんですよ、きっと。
石瀬醒さん
>何故せめて、明るく乾燥した脱衣場で作業をしなかったのか。
思わず、笑ってしまいました……。
2007年10月31日 00:22 by もみじ
ぶはw
そうきましたか
あえて、“悪い例”を救出するとは
あえて、“見たまんま”を描くとは
そして、それでいて誰も想像もつかない状況にしてるし
て言うか、ここまでセルフだと、もはやレストランと呼べない(笑)
素直すぎる主人公に幸多かれと祈るばかりです。
2007年10月30日 09:02 by 石瀬醒
「この箸、使いにくいなぁ」
菜箸に似た、二本のお尻が繋がっている箸を使いながら男は思った。
そこは変わったシーフードレストランだった。
海底をイメージしているのだろう。岩のような椅子はあるものの、オーナーの意向でテーブルなんてものはない。客は全員、床で 食事を余儀なくされている。
男は、わかめ饂飩を注文した。しかし、それが男を悲劇に導いた。
饂飩は途中までしか調理されていなかったので、自分で適当な太さに切らなくてはならない。
床で調理が始まる。もちろん切った後は茹でなくてはならないし、昆布から出汁をとってめんつゆも作らなくてはならない。わか めもその辺から収穫しなくてはならない。
「面倒な店だな。」
あまりにも理不尽なレストランにもかかわらず、男は調理を始めた。
始まってから5分くらい経過しただろうか。男は普段調理なんかしないものだから切り方がわからないので、饂飩の生地に直接箸 をつけて「生食」を試みた。
「なんで客が調理しなくちゃならないんだ? 大体、なぜ衣類を入り口で預かるんだ?」
そこは、たしかに注文の多い料理店だった。
*******
他の皆さんが脚色していたので、私も脳内で紆余曲折してみました。
思いついたけど、全然まとまってないですね。↓
とりあえず投稿しますが、「あぁ…」と鼻で笑ってもらえれば。
2007年10月29日 23:16 by たろすけ(すけピン)
ヴィトンの鞄は船が沈んでも浮いてられる、という話を基にしてみました。
たろすけさんの絵に忠実であろうとする姿勢には頭が下がります。自分はパッと見て後は勝手に作っちゃったので。
もじみさん、何も見ないで絵の意味に則した文章が出て来たのは、きっと対象のメッセージを正しく読み取る感性に優れていたの でしょうね。
石瀬さんのは風呂の中で浮力を発見したアルキメデスに掛けてるんですね。いい具合にリラックスする所為か風呂の中って妙に頭 が働きますよね。
まず、すげぇ、このお題でガンガン書いてるよこの人達!
と、びっくりしました。
もみじさん、僕はもみじさんの手法を支持します。
「全裸で」「海の中に」「コンパス等を携えて」行くという事から、自然に後の「岩」には珊瑚や貝が付着しているように想像し ますし、同時にこの情景がなにか超自然的な、あるいは夢想的なものだということも擦り込めます。
情景の描写と言うのは、経時的に、物語るストーリーの流れに乗せていつの間にか読者に思い描かせると言うのが、僕の理想です 。
「ここから風景の説明です」という文でないのは、むしろ情景描写が自然に出来ている証だと思います。
鯨井さんは、今回は固着した状況の中での独白という息の詰まる情景を、改行の少ない構成で表現していますね。
言葉の選び方や文体と言うのは、映画で言うならカメラワークや編集に当たる演出上重要な要素だと思います。
あるスタイルが常に正しいあるいは美しいということではなく、このテーマはこの演出で、という姿勢が明確に感じられて、素敵 だと思います。
2007年10月29日 10:40 by 石瀬醒
伊藤係長が「アルキメデス」という渾名で呼ばれるようになったのは、日本人離れした二重瞼やまっすぐ通った鼻筋、クリクリと巻 いた茶色がかった髪のせいだけではなかった。
2年前の社員旅行。その風貌からは意外に思えるほど人付き合いのいい伊藤係長は、自ら機構設計を担当したプロジェクトが遅 れているにも拘らず、仕事持参で温泉旅行に参加していた。
その旅館の露天風呂は、海の近い温泉らしく、海岸の岩場をイメージした野趣あふれるもので、宴会の後も係長はじめ何人かの社 員が、磯に遊ぶ子供にかえってはしゃいでいた。
と、突然伊藤係長が「揺れか!」と叫んだ。
後で部下の一人が聞いたところによると、なにやらはしゃぐ男達の起こす波に自分の体が揺れたところから、新しい機構のアイ デアが浮かんだらしい。
係長は素っ裸のままで湯船を飛び出すと、脱衣場から真っ白なバスタオルと油性ペンを持って浴場に戻ってきた。
そして、洗い場の床にバスタオルを広げ、作り物の岩場に腰を下ろし、考えられないような体勢でそこに図面を引き始めた。
何故せめて、明るく乾燥した脱衣場で作業をしなかったのか。
これも部下の一人の話だが、係長としては、発想のきっかけである湯船から離れたくなかったという。
薄暗い間接照明に照らされて一人作図に没頭する係長の姿に、その場にいた全員がしばし呆然と立ち尽くし、やがて誰からともな く拍手が起こった。
係長が「アルキメデス」の称号を手に入れた瞬間であった。
2007年10月29日 09:57 by 石瀬醒
目の前に広がる闇は時が経つごとに密度を増していくようだった。ざらついた金属片を擦り合わせるような音が聞こえた。初めて耳 にするものだ。この島特有の鳥かもしれない。
木に掛けた服に手を伸ばす。たっぷり吸い込んだ海水はまだ蒸発しきってない。幾ら周りに誰もいないとはいえ、タオル一枚は 流石に躊躇われた。さりとて無理に着て風邪をひくのも願い下げだ。部屋に入るなり鞄の中身を広げる悪癖に今さら頭を抱えたくなっ た。
僕は鞄から地図とコンパスを取り出した。鞄は海水と日光に表面の革が痛み、見るも無惨な様相を呈していた。しかし抜群の密 閉性で中には水を通してない。
「これなら船が沈んでも、鞄に掴まっていれば近くの島に流れ着けるから安心ね」
家を出る前、長い船旅に出かける息子へ送るには不謹慎で笑えない冗談を母はさらりと言った。だが本当に笑えないのはまさに 今、その通りの状況に陥ってしまっていることだ。
絶対に沈まないというのが謳い文句だった。世界最大最速かつ安全に乗客を目的地まで運ぶ夢の船――デカイ図体は小回りが利 かず、前方の障害物を避けきれなかった。船体は真ん中から二つに折れ沈んだ。
地面に広げた地図にコンパスの針を刺す。恐らく沈没地点と思われる場所を中心に据えた。あれから半日掛けてこの島に流れ着 いた。潮の流れる速さを計算しておおよその円を描く。ビスケットを食べこぼしたような点が幾つも円内に収まった。
僕は溜め息を吐いてコンパスを地面に置いた。
このどれかに自分はいる。だからどうしたということはない。助けを呼ぶことも自力で脱出することも出来ない。それでも広い 世界で自分がどの辺りに立っているか分かるだけで心強いものだ。
パチッと薪が弾けた。炎が揺らめくのに合わせて闇も踊る。足下のライターに目を落とす。このオイルが切れたとき、いよいよ 自分は夜と戦わなければならない。果たして正気を保ち続けられるだろうか?
耳障りな音は止んでいた。島は静けさの中に沈む。肌に染み込んでくる沈黙が痛々しくて僕は自分の肩を抱いた。
***
なんとか1000文字に収めることが出来ました。だいぶ脳内変換しちゃいましたね。
男はついに海の中へとやってきた。
服は、海に入るときに捨てた。
男は全裸で、紙とコンパスのみを携えて、
海底を、ひたすらに突き進んだ。
ただただ、あるものを希求して。
やがて、その場所に辿り着いたとき、
男はまるで雷に打たれたかのように、確信したのだ。
男は興奮し、しかしその感情を外に漏らさないよう、
細心の注意を払って、膝の高さほどの、その岩に腰掛けた。
岩は滑らかに、ぴったりと、男の体を受け止めた。
ああ。
男は、思った。
私が、この場所に、こうして腰掛けることは、
太古の昔から決まっていたことなのだ。
そして、それは、これから私がすることも……。
男は持ってきた紙を、足元に注意深く広げた。
腰を折り、紙に書かれた図形にコンパスを慎重にあてがう。
男は、あるものを求めて、長い間旅をしてきた。
妻に捨てられ、子に捨てられ、親友に捨てられ……。
男は今まさに、長年捜し求めてきた、
あるものを手にしようとしていた。
それは、「世界の真理」と男が呼ぶものであった。
・・・・・・・・・・
石瀬さんのコメントを読まないで書いたものなのですが、微妙に微妙で、なんか恥ずかしい……。
が、このまま、特攻!(笑)
しかし、肝心の情景描写が足りない気が(汗)
2007年10月28日 17:58 by もみじ
ほとんど実際の絵の解説といって良いほど、忠実な描写に挑戦されたのですね。
僕は「そんな感じのシーンが出てくるショートストーリー」というアプローチしか考えていなかったので、頭が下がります。
これはイギリスの象徴派画家・詩人ウィリアム・ブレイクの「ニュートン」と言う作品です。
“深海のような”岩の表現や"牢獄のような”暗さには、自分にしか見えない真理だけを見つめる、先見的な科学者の 孤独が表現されているのでしょう。
床に巻紙を置いたのは、体の線を大きく撓めることで、彼の思いの強さを表現するためだと思います。(机に向かう角度ではこの 力強さは出ないでしょう)
たろすけさんは、最後の文で図らずもこの絵の表現の本質を言い当てていると思います。
が、私はまた卑怯な手で挑みたいと思います。(笑)
2007年10月28日 16:27 by 石瀬醒
深海の珊瑚礁のような。そんな暗い牢獄だから、男は何も着ないでいられるのかもしれない。
完成された肉体には、まるで似合わない木製のコンパスを左手に、男は作図に集中していた。もちろん机などあるわけがないのだ から、床に巻紙を広げて、岩肌に腰掛けて作業を続けている。
図面は、いたってシンプルなものだった。
その図面が何を意味するかはわからない。真剣な眼差しで図面に置かれた右手の人差し指を見つめる男にしか理解し得ないものな のだろうか。
たろすけ(すけピン)、これでいっぱいいっぱいです。↓
2007年10月27日 23:22 by たろすけ(すけピン)
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