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みんなで、物語を紡ごう!

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通行止め(この絵を使ってみよう)

この絵を使ってみようの第2弾です。

この絵を使って物語を描きましょう!
この絵全体を使っても、任意の人物を使っても、また新たな人物を創出してもかまいません。
基本、この絵から発想が出発してればなんでもアリということで(笑)
また、お気軽に、この絵の一言感想でもかまいません。

↓感想を言われて草葉の陰で喜ぶのはこの人↓
ノーマン・ロックウェル(1894〜1978)
ちなみにこの絵のタイトルは『Roadblock(Traffic Conditions)』〜『通行止め(交通渋滞)』〜 です。

作品、感想、お待ちしてます〜。


*関係者の方へ*
著作権上の問題がございましたら、私そこでねこがのブログの方へご連絡ください。早急に対応いたします。

2007年12月06日 01:09  by そこでねこが

コメント一覧 10件中、1~10件表示

  • ○石瀬醒さん
    本当にこの兄妹はこういうことを考えているような気がしてきました。
    ノーマン・ロックウェルは苗字からも想像つくようにユダヤ系の人なので、マイノリティへの視線は確かにあったのでしょうね。
    あとマーティンとローザという名前はすごくしっくりときました(ローザは公民権運動の母ローザ・パークスから?)。
    この兄妹には強く生きてほしい・・・。


    ○たろすけ(すけピン)さんの絵葉書
    3ブロックめで吹きました(笑)
    こんな鬼ごっこ、やってみたいですねぇ。
    僕に立ちふさがる壁は時間とお金と、友人一人。

    ○たろすけ(すけピン)さんの記事
    小見出しにて二人のケガはてっきり犬を保護する際の名誉の負傷かと思いましたが、懸賞金目当ての取っ組み合いとは(笑)
    犬をちゃん付けする新聞側もお茶目です。
    権力の前ではマスメディアも犬になるのでしょうか。

    2007年12月28日 21:26 by そこでねこが

  • (その2)

    そしてブームが去ったあとはさらに凄惨をきわめた。
    売れ残った大量のブル・マスティフは食肉のように処分された。
    もちろん処分費用をケチって、山に捨てたり敷地に埋める(それも生きたまま!)業者も多かった。
    これは各家庭でも同じで、飽きたり、想像してたのと違うと勝手な事を言って保健所に押し付けたり、街中に捨てたりする心ない 者たちも数多くいた。
    おもちゃ代わりに虐待したり、殺してやったというケースも報道された。

    ブル・マスティフは人間の事情により大量生産され、愛玩され、虐待され、そして大量消費されたのである。
    これが、この写真によって生み出されたことである。

    もちろんこの写真を撮った者に罪はないし、写っている人たちもなんら責められることはない、・・・おっとこれはしまった、私 としたことがとんでもないミスをしてしまった。
    この写真は10年前の新聞写真ではなかった。
    間違えて載せてしまったらしい。
    この写真は先日私が撮ったものだった。
    そう、これは町にあぶれて各地で交通渋滞を引き起こしているブル・マスティフの写真である。
    町中をさまよっているブル・マスティフは今でもいくらでもいることはみなさんだってよくご存知だろう。
    そしてこの老いて弱りきっている犬は、そうだなあ、10歳くらいだろうか。

    2007年12月15日 00:31 by そこでねこが

  • (その1)

    読者諸君はこの写真を覚えておいでだろうか。
    これは今から10年前、とある新聞に載った写真である。

    通りの真ん中で一人ほうけている犬、そしてその犬を迷惑どころかどこか暖かそうに見守る人々。
    当時この写真は大変評判になったから、思い出した人も多いだろう。

    右の自転車に乗る少女、この子はこの写真をきっかけにドラマや映画に何度か出て少々話題になったものである。
    また左の画家、当時彼は全く売れていなかったのだが、この写真を見た美術家からその才能を絶賛され、いまや画壇の寵児である 。
    そして何よりも忘れてはならないのが主人公たる犬である。
    この写真をきっかけにブル・マスティフが大人気となり、国中ブル・マスティフを飼う人であふれたものである。
    読者諸君もこれで完璧に思い出してくれたことだろう。

    そしてこんなことも覚えているだろうか。
    あのときブル・マスティフが大流行したおかげで、ペットショップは次から次へとこの犬種ばかりを仕入れた。
    ブル・マスティフの人気は過熱を極め、「生産」は追いつかず、業者は苦肉の策で近い交配などをして、無理やり数を増やした。
    結果奇形だったり、劣等な犬が多く生まれた。
    また利益を手っ取り早く出そうと劣悪な環境で育てて売り飛ばす業者も出た。
    飼い主も飼い主で犬のことをよく知りもしないで飼ったために悲惨な育てられ方をしたり、早死にした犬も多かったと聞く。

    2007年12月15日 00:29 by そこでねこが

  • その犬は全くどく気配がなかった。
    みんな協力してあの手この手を試してみたが、ラチがあかなかった。
    大声を出してもびくともしない、バイオリンを大音量でかき鳴らしても念仏感覚、軽く叩いてもみたがそれも無駄だった。

    そこで新たな作戦が取られた。
    絵描きが腕をふるって実物大のトラックの絵を描いたのだ。
    そして大人3人がそれをかついで犬に向かって走る!
    これで犬もびびって逃げるだろう。
    しかし作戦は失敗に終わった。
    効果音がなかったのがいけなかったのではないかということになり、絵の動きに合わせて、おっさんが「ブロロロオー」と言って 、おばさんも「パッパー」と言った。
    結果は変わらなかった。
    みんなにあきらめの表情が浮かぶ。

    おばあさんがどうしましょうねえと男の子の肩を叩いたとき、彼女は驚きの声をあげた。
    「ああ、おばあさん。その男の子も絵なんですよ。その子に向かって犬が動くかなと思って。」
    おばあさんは絵の男の子を本物と勘違いしてしまったのだ。
    一向に打開されない事態にあきてきた若い女性は自転車にまたがった。
    瞬間、自転車がつぶれた。
    どうやらこの自転車も絵だったことを女性は忘れてしまっていたのだ。
    みんながくすくす笑う。
    上から見ていた窓拭きの少年は、旦那に呼ばれたので窓の絵をバリッと破いて家の中に入った。
    そして電線から飛び立ったハトは空に描かれた絵の中に入っていった。

    そのとき一番苛立っていたはずのツナギを着たおっさんが大笑いしながら叫んだ。
    「おい、よく見てみろ! この犬も絵だぜ! どうりで動かないと思ったぜ!!」
    その種明かしを聞いた途端、みんなの間にどっと笑いが起きた。

    なんだ、この犬は絵だったのか!
    そうだ、こんなに動かない犬がいるわけがない。
    私達はなんてばかな勘違いをしてたんだ。
    あーはっはっはっはっは。
    そう言ってみんなは犬の絵を蹴飛ばして、踏んづけて、ツバを吐いた。
    キャンッと鳴いてボキッと音がして血がどくどく出始めたけど、なにも気にすることはない。
    だってこれは絵なんだもの。
    さあみんなっ、このいn、いや絵を、とっととゴミ箱に捨てて焼いちまおうぜ!!

    2007年12月14日 00:48 by そこでねこが

  •  王女のペット、発見される 騒動で二人がケガ 
     先月末頃から行方がわからなくなっていた、王女のペットで珍犬としても知られるゴメンナサイブルドッグのフランソワちゃん が、12日、アレグアス市で発見された。
     多額の懸賞金を懸けられたペットのフランソワちゃん(メス・3歳)は、アレグアス市の北部の低所得者居住区で偶然通りかか ったトラックの運転手が発見。保護しようとした際に住民の画家によって妨害され、逆上した運転手ともみ合いになり、二人とも顔や 腕などに軽い怪我を負った。
     フランソワちゃんを保護し、王女様へお届けにあがったのは、やはり偶然自転車で通りかかった大学生のシエラ・アロンソさん 。懸賞金の$100,000の使い道については「私も犬を飼うわ」とコメント。

    この記事は、たろすけ(すけピン)が担当しました。

    2007年12月12日 21:58 by たろすけ(すけピン)

  • 古い付き合いのある友人から、絵葉書が届いた。例によって、海外から送られてきた。


    裏には、犬を中心に車や近隣住民を巻き込んだ騒動の絵がコミカルに描かれている。友人は、こういった絵が好きだ。半年ほど前 にも、同じような絵葉書をいただいた。もちろん海外からだ。
    今回も、絵葉書には宛名のほかには何も書かれていない。

    友人もそうだが、私もヒマな男だ。
    前回は4ヶ月で友人を見つけることが出来たが、今回は何ヶ月かかることか。

    絵葉書と消印だけを頼りに、世界を舞台にした鬼ごっこを再開する。
    楽しいではないか。

    2007年12月10日 23:42 by たろすけ(すけピン)

  • 右上のおっさんとおばさんが主人公です。


    女はでっぷりとした腹とあごをふるわせながら言った。
    「あんた、毎日毎日そうやってパイプをプカプカ吸ってないで、いい加減働いてくれよ!!」
    男は女の勢いに気おされることなく、むしろ満足げな顔を浮かべたままつぶやいた。
    「な〜に、いいじゃねえかこうやってゆっくりくつろいでたって。別に金に困ってるわけじゃないんだし。」

    すると女は財布をひっくり返して、たった数枚の小銭を地面に落としてみせた。
    「困ってるんだよ!! うちにゃあとこれしかないんだよ!」
    すると男はあわてて聞いた。
    「お、おい。この前俺がチェスで勝った金はどうしたんだ?!」
    「あんなのたまってた家賃やら水道代やらを払ったらスッカラカンだよ! で、どうするんだい? 今夜はおかずもないのよ。」
    「食い物までないのかよ・・・。」

    男はやっと事の重大性を認識し、パイプを忙しげに吸いながら窓辺に歩み寄った。
    すると突然男は興奮した様子で叫んだ。
    「あった! 食いもんだ!! あれをナベで煮れば、今夜のおかずになるぞ!!」

    そう言って男はあわてて外へ出て行った。
    女が窓の外を見てみると、通りでは男が少年の首を絞めていた。

    2007年12月08日 00:51 by そこでねこが

  • 左真ん中の絵描きが主人公です。


    画商はでっぷりとした腹とあごをふるわせながら言った。
    「なあ、一体その絵はいつになったらできるんだ?! もう納入期限はとっくに過ぎているんだぞっ!!」
    絵描きは画商の勢いに気おされることなく、むしろ生気のない顔をしたままボソリとつぶやいた。
    「この娘の髪の毛を塗り終えるまでだよ。」
    イーゼルに立てかけられたカンバスにはとても美しい女の絵が描かれていた。
    ただ一点、その女の髪の毛がまだ塗られていなかった。

    「だったら早く塗ってしまえばいいだろう?! 間違いなくその絵は君の最高傑作だ!! たとえ3歳の子どもが髪の毛を塗って しまったとしてもね!」
    絵描きはカンバスの中の女を見つめながら言った。
    「わかってるよ。でもこの女性は僕の初恋の人なんだ。とても美しい髪の毛をしていた。太陽光にさらりとなびく美しい茶色だ。 僕はきっとあの髪の毛に惚れたんだ。だがなかなかあの茶色を出せないんだ。いくつ色を混ぜても、何度色を重ねても、記憶に残って いるあの輝きを写し取ることができないんだ。あの茶色が再現されない限りこの絵を売ることはできないよ・・・。」

    画商は眉間にしわを寄せて大きなため息をついた。
    絵描きはのっそりと立ち上がって窓辺に歩み寄った。
    すると突然絵描きは興奮した様子で叫んだ。
    「あった! あの茶色だ!! あれをそのまま使ってカンバスに塗れば、絵は完成するぞ!!」

    そう言って絵描きはあわてて外へ出て行った。
    画商が窓の外を見てみると、通りでは犬がウンコをしていた。

    2007年12月08日 00:48 by そこでねこが

  • 私は犬だ。
    かつて人間に飼われていた犬だ。
    その人間は先日私を置いて遠くへ行ってしまった。
    だから人間という生き物はいやなんだ。
    さんざん愛していたと思ってもある日突然いなくなってしまう。

    今私の周りに集まっている人間たちはどうも私のことでキャッキャッ騒いでいるみたいだが、頼むからほっといてくれ。
    別に新しい飼い主を探してるわけじゃないし、おなかがすいているわけでもないんだ。
    どうか私のことは無視してほしい。
    ほら、散ってくれ。

    そして、みんながいなくなったあとはさあ、そこのボロトラックの運転手よ、どうかアクセルを思い切り踏んで遠慮なく私をひき 殺してくれ!!
    こうして待って3日、99人目のお前なら、私をあの人間にひき逢わせてくれるのだろう?

    2007年12月07日 00:00 by そこでねこが

  • 右下の兄弟が主人公です

     「かわいい犬だったね」
    雑踏をやっと抜けると、ローザが言った。
    「みんな、なんだかんだ言って、犬に優しかった」
    「そうだね」
    マーティンが応えた。
    「お母さんはかわいくなかったのかなぁ」
    ローザが、俯いたまま小さい声で言った。
    「かわいくなかったから、車が止まってくれなかったのかな」
    「そんなんじゃねえよ」
    「あたしは、あの犬くらいかわいいかな」
    兄を振り仰いだローザの目に、光るものがあった。
    「いいか、ローザ」
    マーティンは、妹の大きな瞳を真正面から見据えて、真面目な声で言った。
    「あの犬が皆に優しくされたのは、犬だからだ。
    犬は権利を主張したりしねぇし、仲間が吊るされても文句を言わねぇ。
    黒人がかわいくても、慰み物にされるだけだ。誰も、優しくなんてしてくれねぇんだ」
    「でも、でも、スコットさんのお嬢さんは、あたしにすごく優しくしてくれるよ?
    ローザはかわいいって言ってくれるよ?サーカスで見たチンパンジーみたいにかわいいって」
    「ローザ!」
    マーティンは、つい声を荒げて妹を黙らせてしまった。
     ローザ、お前はかわいいよ。スコットの家の、高慢ちきでそばかすだらけの娘なんかより遥かに。
    心の声を彼は口には出さなかった。
    「ローザ、白人にかわいいなんて思ってもらおうと思うな」
    急に怖くなった兄の横顔に、少女はただコクン、と頷きを返した。

    2007年12月06日 12:35 by 石瀬醒