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3つのお題

私、たろすけ(すけピン)からトピを提案します。

とは言っても、今までと同じルールの「3つのお題」です。

・チョコレート
・2月14日
・告白

まだ気が早いですが、時事ネタです。
ネックになるのが2月14日でしょうか。使いづらい単語ですよね。
告白は、いろいろ使えるかも?

いつものとおり、『チョコ』や『バレンタインデー』でも消化したことになります。

あとで、私も書き込ませてもらいます。それじゃ、スタート!!

2008年01月11日 18:32  by たろすけ(すけピン)

コメント一覧 18件中、1~10件表示

  • 『商品開発』

    「き、君・・・・・・・・これは・・・・・・・・・」

    自社のバレンタインデー用のチョコレートの商品開発会議で私はサンプルを前に絶句
    していた。企画したのは例によってカカオだ。

    カカオは本名を片野といい、当社の商品開発部の古株だ。彼はチョコレートの開発を
    専門にしており、それ以外の商品開発を命じられると都合よく腹痛を起こしたり親戚を
    殺したりするため、いつしかカカオという仇名を拝命し、誰もチョコ以外の開発を命じ
    なくなった。

     片野の開発するチョコはいずれも常識を逸しており、大抵はボツにされるかバレンタインデー限定で現れる突飛なチョコの数々 と同列の扱いを受けるのが恒例となっていた
    。故に私は会議の前から今日は何かいやな予感がすると踏んでいたのだが・・・・。

     「片野、これは・・・・・・・・・」

     「はい、味噌汁ボンボンです」

     あっさり「それが何か?」的な態度をとる片野に対して私は早速聞いた。

     「君は、これを試食したか?」

     「えー?しないっすよお。だって、こういうイベントものの商品って味よりインパクト
    じゃないですか」

     意外に正論かもしれないコメントを付されて私は言葉に詰まってしまったので、とりあ
    えずはコンセプトを聞いてみることにした。すると片野は言った。

     「そりゃあ、今の日本人って二言目には『日本って素晴らしい』ですからね。どこが
    素晴らしいのか分からないけど。でもまあ、商売に使えそうなので、バレンタインって
    事もあってナショナリズムに訴えるものを、と・・・・・・」

     だったら日本酒ボンボンにでもしてくれればいいものを・・・・・・・・・。しかしそれでは
    ありきたりだ・・・・・いや・・・・・・しかし・・・・・・。
     私はあっさり反論、却下できない状況に追い込まれた末に頭を抱えた。

    2008年02月10日 20:20 by 出刃

  • [last conversation] 前の続き

    「……僕は、愛を知らない」
    静かに、彼が口を開く。
    その事情も知っている。彼は孤児で、母親の顔を見ずに、教会に捨てられそのまま教会で育てられた。
    彼の顔を、私は直視できなかった。
    「だからこそ、愛は美しく、失ってはいけないものだと思うんだよ」
    甘く、優しい彼の言葉は、もう私の心には届かない。
    彼を愛している。なのに、もう届かない。
    「……もっと……私が早く気づいていれば」
    「アモレ……?」
    「私は、あなたに愛を教えることができたのに……」
    涙でぐちゃぐちゃになった、見るも無残な私の顔を彼にさらした。彼は、私の頬を伝った涙の筋を人差し指でたどった。
    「彼方を、愛しているの……ずっと前から……」
    これは、私が彼にした最初で最後の“告白”だった。
    彼は鉄格子越しに、私を抱きしめた。
    「ありがとう」
    その言葉は、私の心に重くのしかかる。
    すると、看守が私に無言の威圧をかける。
    「ウァレンティヌス……私、もう行かなきゃ……」
    「いやだ、行かないでくれよ!!」
    私は絡み付いてくる彼の手を振りほどき、立ち上がった。
    そして、持ってきた手提げの中からあるものを取り出し、彼の手に握らせた。
    「アモレ……?」
    「チョコよ。体は、大切にして」
    私は彼に背を向け、歩き出す。
    「アモレ、待ってくれよ……また、来てくれる? 顔を見せてくれよ!!」
    悲痛な彼の声を聞いていられなかった。

    一歩、一歩と彼から離れていく。
    彼の声が遠くなっていく。

    私は、彼の最期をしらない。

    fin.

    2008年02月10日 20:05 by

  • [last conversation]

    彼は、笑っていた。自分の行為に恥じずに、むしろ誇りに思っていた。
    そんな彼を、私は心から愛していた。

    「ウァレンティヌス」
    私は、鉄格子越しに彼の名前を呼んだ。彼は、連れてこられた時のまま、祭服を着た、やつれた姿だった。
    だけども、いつも瞳に宿している光は消えていない。
    「やぁ、アモレ。今日も来てくれたんだ」
    「……2月14日」
    私は、ゆっくりと重い口を開いた。何も知らずに、私を見る彼の視線が怖くてたまらなかった。
    「あと、1ヶ月もあるじゃないか。どうしたの?」
    「それが……あなたの命日になる日よ」
    とたんに、彼の顔が悲しみを含んだ穏やかな顔になった。この表情は、私が今まで見てきた中で、一番美しい表情だった。
    「ねぇ……何であんなことしたの? 何で、皇帝の命をやぶったの?!」
    私は、我を忘れて鉄格子にすがり、涙を流した。
    彼は私に近づき、私の頭をゆっくりと撫でた。その感覚が、心地よくて、寂しくて、涙が止まらなかった。

    Next.

    2008年02月10日 20:04 by

  • 『バレンタイン・デイ・ブレイク』

    「見て。夜が明ける」
    空と地平線との境界を割って、この世界に再び太陽が姿を現す。
    僕はまぶしさに目を覆った。
    まぶたの裏で生まれたばかりの太陽が残像となって踊る。
    「今日が始まるわ」
    熱っぽくささやくリカは、きっとこの光の中でも目を凝らしているのだろう。
    分厚い硝子に、額を押し付けて。
    光が身体を温める。僕はゆっくりと目を開けた。
    真っ黒な空の下、僕たちの住む街が灰色に広がっていた。
    「見て」
    彼女の指差す先に、青い星。
    「綺麗……」
    人類が宇宙に進出して300年。『月』に住む僕らはあの青い『地球』に恋焦がれる。
    それはきっと、僕らの祖先がまだ『地球』に住んでいたころより、ずっと切実に。
    僕はそっとリカの横顔を盗み見た。
    彼女は今日旅立つ。彼女は鳥になるのだ。
    「リカ・ヒグチ、時間です」
    リカはちらっと後ろを見て、無言で窓から離れる。と、僕のほうに右手を伸ばした。
    「手、出して」
    僕は言われたとおりに両手をリカのほうに差し出す。
    リカは眉間に軽くしわを寄せて、口の中で小さく何事かをつぶやいた。
    リカの右手にじんわりと光が宿る。
    ぽん、と現れたのは……チョコレート? それは、ひとかけらのチョコレートだった。
    「リカ」
    「大丈夫、許可は取ってある。……昔、『日本』では2月14日に友情の証としてチョコレートを贈り合ったらしいの。だから、 」
    僕たちは数秒の間、無言で見つめ合った。
    「……僕たちの友情は、永遠だ」
    僕の言葉に、リカは口をきっ、と結んで頷いた。

    そうして、彼女は旅立った。もう二度と会うことはないだろう。
    ……リカは、僕が『日本』の歴史に通じていることを、知らなかった。
    バレンタインデーのチョコレート、その意味は。
    「僕も、君が、好きだよ」
    飲み込んだ告白の言葉をそっとつぶやく。
    柔らかい甘さが口の中でほどけた。

    空には、青い星。

    2008年02月01日 21:43 by もみじ

  • その2

    2008年02月01日 11:37 by そこでねこが

  • その1

    全8ページです。

    2008年02月01日 11:34 by そこでねこが

  • 2月14日。俺の誕生日だ。
    そのせいで、小さい頃の誕生日にはチョコケーキでお祝いされた。
    名前も生まれた日にちなんで『聖(ひじり)』だ。
    子供の頃は、それが嫌で仕方がなかった。
    しかし社会人になると、おかげですぐに覚えてもらえるから仕事がしやすい。
    そんな俺も、もうすぐ父親になる。予定日は、偶然にも2月14日だ。


    病院から会社へ連絡があったのは、2月12日のことだ。陣痛が始まったので、すぐにでも来てくれというのだ。
    同僚に冷やかされながらも、俺は病院に急ぐ。

    残念ながら出産に立ち会うことは出来なかったが、
    元気な女の子と「はじめまして」と挨拶することが出来た。
    もう名前は決まっている。
    妻と相談した結果での名前だから、明日にでも市役所へ出生届を出しに行こう。生後2週間をすぎると、戸籍上の誕生日と生まれ た日に相違が出てしまうというではないか。

    妻に労いの言葉をかけると、やがてお袋も病院に駆けつけてくれた。
    「よぉ。これでお袋もおばあちゃんになっちまったな」
    笑いながら孫の誕生を報告する。しかし、笑えないことが一つあった。



    俺の本当の誕生日は、1月25日なのだそうだ。
    今、そんなことを告白しなくたっていいじゃないか。

    2008年01月27日 23:33 by たろすけ(すけピン)

  • 『遅すぎた告白』

     昼下がりのオフィス。
    「課長、どうかしたんですか? ここ最近、暗い顔をされていることが多くて、私、心配で……。何かあったのなら私に話しても らえませんか?」
    「いや、何でもないんだ。気にしないでくれ」
    「でも……」
    「本当に何でもないんだ」
    「そうですか……。じゃ、これ、受け取ってください」
     私は課長にリボンをかけた包みを渡した。
    「そうか、今日はバレンタインだったな」
    「義理チョコじゃありません……。本気です。実は私、ずっと課長だけを見てきました。ずっとずっと大好きでした。でも言えな かった。課長が愛妻家だってことは、よくわかっていましたから、自分の気持ちを押し殺してきたんです」
     課長は暗い目で私を見た。力なく微笑む。
    「黙っていようと思ったんですけど、でも最近の課長、変だから見ていられなくて……。どうしちゃったんですか? 私じゃ力に なれませんか?」
    「僕が好きって……。全然知らなかった。いつから?」
    「去年の4月に入社した時からです。一目ぼれでした」
    「そう……。4月か……あの頃か……」

         *

     数時間後、課長が逮捕された。容疑は妻殺し。
     課長は心から奥さんを愛していた。それが去年の四月、奥さんの浮気が発覚。それ以来、奥さんとの仲は修復不可能な段階に進 んでしまったらしい。
     そして先週、奥さんに手をかけ某県の山中に埋めたとのこと。課長の様子が変になったのはそれからだったのだ。

         *

     あの日以来、私の中で繰り返す疑問。
     もし私が4月に告白していたら……。いや、せめて先週、言っていたら……。

    (完)

    2008年01月25日 21:21 by 七花

  • その2

    英輔は大真面目な顔で続ける。
    「うそなものか。その日はな、血凝土という菓子を食うのだそうだ」
    「ちこりと、でございますか」
    「うむ。字からすると獣の血の凝ったもののようだの」
    「そのような菓子は嫌でございます」
    「うむ。南蛮人は不浄の食物を好むからの。
    そこでな、小豆の羊羹を買って来た。色は似たようなもんじゃろう」
    「気色悪いことを申されますな」
    「さて」
    うん、と咳払いを一つして英輔は、いつの間に用意したのか、小皿の上に羊羹を切ったものを、膝の前に押し出した。
    神妙な様子で、菓子の前に三つ指を突き、なにやら挨拶のようなことを始めた。
    「日頃、なんというか、わしのような、不調法な、ぶ、不器用なものの世話を、有り難く存じる。
    その、なんというか…」
    顔を少し上げてさよを覗き見、照れたような笑顔を浮かべた。
    「わしは、お主に、心底惚れとる」
    しばらくは、木枯らしが雨戸を鳴らす、かたかたという音しか聞こえなかった。
    「いやっ」
    弾かれたように立ち上がったさよが、袂で顔を隠して襖の陰へと逃げ込んだ。
    「もう、なにをお言いですか。ここは見世では『ありんせん』よ」
    「何を申す。こちらは真剣至極じゃ。さあ、さよも、わしに告白せんか」
    「いやです。そのようなことをするくらいなら喉を突いて果てまする」
    「武家の妻女としての覚悟まことに天晴れ、淑女なり、貞女なり。じゃがそれでは、聖梵天日にならぬではないか」
    「結構です。私は南蛮のおなごではござりませぬゆえ」
    「わかったわかった。すまんかった。せめて一緒に羊羹を食おうではないか」

     子供のように何にでも興味を示し、道理に合わぬ法を天から笑い飛ばす。間違っては居ないのかもしれないが、世になずめぬ困 った人だ、と思っていた。
    でも、私は幸せだ。
    二人の茶を淹れながら、さよは思った。
    今度、ももんじい屋にでも行って、本物の血凝土を買ってきてあげよう。

    2008年01月25日 15:02 by 石瀬醒

  • その1

     天文方下役佐々木英輔は、天下の暦を決めるのであるから算術にかけては英才揃いに決まっている天文方に有っても、とりわけ て優秀な男であった。
    歳が26歳とまだ若いゆえの下役勤めだったが、行く行くは天文方を背負って立つと噂であった。
    が一方、噂はそればかりでもなく、今にご禁制破りなどの大きなしくじりをやらかすに違いない、と言う者も居た。
    本人にはそのつもりはなかったが、奇行の目立つ男でもあったのだ。
     天動説に基づく天体運行儀は、現在の太陽を中心とする惑星儀よりも遥かに複雑なものである。
    天体方には3つの精巧な天体運行儀があり、惑星の運行の予想に役立っていたが、分けても西欧伝来の“地渾儀”と呼ばれる一品 は、持ち出しは言うに及ばず、その寸を測ることも図に描くことも禁じられた秘蔵品であった。
    英輔は地渾儀を熱心に観察し動きを分析し、遂にその原理を見抜いて、密かに自宅に、桐と竹串とを用いて精巧な模型を作り上げ るに至っていた。
     正月も終わりに近づき、町の様子も落ち着き始めたある夜、夫婦のつましい食事の後で、縫い物を始めかけた妻さよを英輔が呼 んだ。
    「さよ、南蛮ではの、日本国とは違った暦を使っておる」
    「はあ」
    さよは、眉を落としてなお娘に見える童顔を、すこし曇らせて夫の顔をのぞき見た。
    役目上、夫が一般には禁じられている南蛮の書物に通じていることは知っていたが、その内容について漏らすのは、身内相手とい えども厳禁であることも承知している。下手をすれば腹を切らねばならなくなる程の違反を、何とも思わずしてしまう夫の無邪気さを 、好ましく思う一方でさよは心配もしていた。
    「甲利於暦というのだがな。
    わしの地渾儀の指し示すところによると、今日はその暦では、如月の14日じゃ」
    「はあ」
    「本によるとな、この日は聖梵天日と言うて、好き合うた男女が互いの思いを告白しあう日じゃそうな」
    「まあ」
    さよが、行灯の光でも判るほど頬を赤く染め、上目遣いに英輔を睨んだ。
    「そのようなばかな紋日があるものですか」

    2008年01月25日 15:01 by 石瀬醒

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