第一回 読書会のお知らせ
コミュニティ参加者が10人になったことを記念して、読書会を開こうと思います。
といっても、そう大したものではなく、
短編小説を皆で読んで語り合うだけです!
そこで質問ですが、
題材に使う作品は何がいいでしょうか?
僕は芥川龍之介の「魔術」を推薦します。
ちなみに下記のURLから読むことができます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/95_15247.html
2012年04月02日 17:42 by ひつじ さいせい
芥川龍之介の本、図書館行ったらありました^^
それで立ち読み(笑)。
yukaribaさん
すごい観察眼、読解力ですね。たしかに「高が進歩した催眠術ですから」は伏線になってる!yukaribaさんの分析を読んで 、はじめて気がつきました。
芥川龍之介は、なんというかスマートに伏線を仕込みますよね。あえて悪く言うならば、狡猾なんでしょう。
決して大風呂敷を広げるわけではなく、さらっと何気ないような会話の中に、とんでもない爆薬を仕込んでくる感じです。きっと詐 欺師の才能があるのだと思います。
けど、こういった能力はとても大切だと思います。ニコニコしながら冗談を言っても大して面白くないのと同様に、伏線も明らかに 意味ありげな調子だと、興ざめしてしまいますから。
おばあさんを「無欲の象徴」と捉える分析もすごいですね。思わず、「なるほど!!」と感嘆しました笑。
そういえば、ボブ・ディランの初期の歌に「ハッティ・キャロルの寂しい死」という作品がありました。
実際の事件を扱った作品で、
大まかな歌詞の内容は、ハッティ・キャロルという年とった黒人女性のウェイターが、タバコ農場を経営する白人の青年ザンジンガ ーに撲殺されるという内容なんですが、その中にこんな一節があります。
「彼女は皿をはこび、ゴミをすて
テーブルの上座にすわったこともなく
テーブルの人々に話しかけることさえなく
ただすべてのたべものをテーブルからかたずけ
ただもうひとつの階で灰皿をあけていただけなのに
なぐり殺された」
もちろん芥川と直接の関連はありませんが、文学作品では、ウェイターを無私の人として描くことが多かったのでしょうか。これか ら小説を読む際、意識的にウェイターに留意して読んでみると、面白そうです。
芥川はどんな人だったんでしょうか。一般的なイメージだと、偏屈だとか気難しそうとされていそうなので、yukaribaさん が良い人だと言ったのは、少し意外な感じがしました。きっと天国の芥川龍之介も喜んでいると思います。
僕が最初に芥川を好きになったきっかけは、「歯車」や「河童」といった、半ば倒錯的で、錯乱しながら書いたような狂気の世界に 惚れたからです。
だけど、のちに「魔術」のような可愛くて愛くるしい、作品も書いてると知り、より一層好きになったんです。不思議な人ですよね 。
2012年04月14日 14:29 by ひつじ さいせい
遅ればせながら参戦させていただきます!
魔術への憧れって今も昔も変わらないんだ、なんて感想をまず最初に抱きました。模様から実物のお花を出してみたり、本が宙を駆 けていったり…児童向け文学とウィキ先生にあったように、イマジネーションたくましい情景が、ありありと浮かんできます。こんな 想像をしたからこそ具体的に書けるわけで、芥川かわいいな、なんて思ったり。
「高が進歩した催眠術ですから」のセリフは伏線だったみたいですね。
また、欲が捨てられるかと尋ねるミスラ君に対して、「出来るつもりです、魔術さえ教えていただければ」と答える私は、その時点 で魔術を習いたいという欲を示しているわけですから、ミスラ君は『疑わしそうな目つきを見せた』のだと思います。そこで私に自覚 させてやろうと魔術を仕掛けたんだろうな、と。
で、ここでとにかく気になるのはお婆さんの存在なんですよー!
端役だけれど、特別な描写はないけれど、魔術の開始と締めには「御婆サン。御婆サン。」ってカタカナ表記で呼びかけているミス ラ君。この人何者!?感がたちまち漂ってきて、引っかかります。
夢の中の血気盛んな狡っこい若者と対比すると、無欲の象徴のような人なのかな、作中のお婆さんって。奉仕する立場の人間は、無 私でしょうから。
誰にでも使えるけれど、欲目を出せば失敗するもの=魔術。じゃあどうしてミスラ君は使えるんだろう? 「こうしたい」と思うこ とを成すのは欲ではないの? ……多分、呼吸するくらい当たり前のことであって、魔術なんて大したもんじゃないという認識がコツ なんでしょうね。平常心。
余談ですが、夢の中って実際、すごく自分の欲望に忠実に行動できちゃいますよね。イチゴ食べ放題だありったけ食っちまえ! と か、金銀財宝だありったけ詰め込んじゃる! とか。お恥ずかしながらよくあるんです;
だから、ミスラ君の言う無欲とは、潜在的な欲すら捨て去った、極致にあるものなんでしょう。口先では言えた、自制心だって働い た、けれど最後、刹那の欲に全部飲み込まれてしまった。夢の中の出来事だと考えるとそれって、とてもリアルで自然なことのような 気がします。
これじゃ私に魔術は遠いなー、残念。子供なんて欲の塊なのに、こんなお話を書くなんて芥川はいい性格してますね。と言いつつ、 床に散らばった本がひとりでに棚に戻ってくれやしないか、念じてみるのですが。
ミスラ君…だっけ?
策士ですね。
「面白いように勝てる。」
ここで止めておけば…!
グリードはこぼれ落ちる砂のようだ。
…何かの詩が書けそうだ。
>ちくわさん
古い作品ですよね、
いわゆる古典と呼ばれている作品ですし。笑
ちくわさんの言うように
その欲に関係する文章は、一つ目のプロットポイントになっていて
重要な部分だと思います!
なので「カギ」だと捉えたのは、とても鋭い指摘だと思います!!
2012年04月04日 20:37 by ひつじ さいせい
この小説の一番の見せ場は、金を手中に収めようとする友人と主人公である「私」との駆け引きの部分だと思います。心理戦が面白か った。
以下、小説の技術的に優れている、と思った部分を書いていきます。
最初の10行ほどで「私」とミスラ君との関係を、よどみなく自然に説明できているのはすごい。
会話に違和感がない。
描写に過不足がない。御婆さんの容姿について説明がないのは、御婆さんが物語りの本質とは関係のない端役であるから、意図的に 描写を省いていて、
一方、ミスラ君は、主要人物であるので「色のまっ黒な、眼の大きい、柔(やわらか)な口髭(くちひげ)のあるミスラ君」としっ かり記述している。
不気味な雰囲気を作るのが上手。ミスラ君の住んでいる場所が「寂しい大森の町はずれ」であることや、日本人の御婆さんが一人で 世話している、というのは偶然ではないだろう。仮にミスラ君が街中に住んでいる5人家族の邸宅にホームステイしていたなら、これ ほどまで不気味な感じは出なかったと思う。
2012年04月04日 20:32 by ひつじ さいせい
読みました。
感想―――――。
あれは、夢だったんですね、
意外な展開が面白かった。
あと古い作風(!?)だったな。
そうですねー、
物語のカギは、
「魔術を使おうと思ったら、まず欲を捨てなければなりません。」
*108行目抜粋。
かな。個人的には、
一番驚いたのが、著書日「大正八年十一月十日」
やはり古い(笑)。
おっと、インターネット上で読めるんですか、
これは失礼^^;
短編小説ですか、
実はあまり読んだことがない(笑)。
えと、"魔術"近くの図書館にあるかな~?
あ、魔術で賛成です。
この機会に、短編小説読んでみよう。
昼になったら、図書館行きます。
では、また。
反対する人がいないようだし、10人目の音森さんも賛同してくれたので、
読書会の題材は芥川龍之介の「魔術」にします!!
難しく考えず、どんどん感想を書き連ねてください。。
こういうのは、たくさんの意見を出し合うのが大切だと思いますので
2012年04月03日 20:23 by ひつじ さいせい
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